昨(2020)年春に放送され、話題を集めた「いいね!光源氏くん」が再び帰ってきた。原作はえすとえむによるラブコメ漫画。ちょっとゆる~いタイムスリップものだ。
ある夜、自宅で寛ぐ27歳のOL・藤原沙織(伊藤沙莉)のもとに、突如、光源氏(千葉雄大)が現れ、なんだかんだで居候させることになった。平安の雅(みやび)な世界から現代にやってきた光源氏は、その佇まいや仕草だけでもう可笑しい。「人前で烏帽子を取るなど恥」と烏帽子を脱ぐのを嫌うとか、美味しいものを食べるなど、感動が頂点に達すると、突然、和歌を詠み始めるなどなど。光源氏が和歌を詠むとハートのようなピンクの花びらがはらはらと舞うなど、遊びある演出も楽しい。沙織が勤める会社のセットなど、「LIFE」のコントかと思うほどチープだが、そんなことも気にならないほど。
2人を取り巻く、中将(桐山漣)や沙織の妹・詩織(入山杏奈)、詩織の友人でホストのカイン(神尾楓珠)なども引き続き出演し、チームワークもいい。千葉雄大と伊藤彩莉のコメディセンスが光るエンターテイメントドラマに仕上がっていた。
紫の上も気になる...
で、今回の「し~ずん2」はというと、16年ぶりの続編「ドラゴン桜」(TBS)とは違い、こちらは1年ちょっとの続編で、意外に早く「し~ずん2」が来たなあという感じ。なので、千葉も伊藤もそのほかの出演者たちも変わりなく、違和感なくスッとドラマの世界に入り込めてありがたい。
第1話では、光くん(光源氏のことを沙織はこう呼んでいる)が居なくなり、ひとり寂しく打ち上げ花火を見ている沙織の元に、光源氏がふっと舞い戻ってくるのだが、あまりにも自然なので、先週の続きを見ているかのような、ブランクを感じさせない始まりもよかった。
「し~ずん2」では、沙織に好意を寄せる同期の一条(一ノ瀬颯)の存在や、光の妻・紫の上(紺野彩夏)も現代にタイムスリップしているらしいという設定が気になるところ。
自己肯定感低めのこじらせ女子と、稀代のプレイボーイ(のはずが、沙織には勝手が違う)との、せつない恋バナにしばしお付き合いを。
胸に「藤原」と名前が書かれた沙織の中学時代のジャージを愛用する光くん、ツボです。(月曜よる10時45分~)
(くろうさぎ)