私は、2004年7月から2009年2月まで5年近く、日本テレビでドラマの制作に関わっていました。その経験を踏まえて、先々週、先週に引き続き「ドラマが当たる要素」についてお話しします。
今週は、連続ドラマの場合を考えていきます。連ドラでは、「第1話が始まるまでのパッケージ感」と「第1話の"出来"」が、とても重要です。
ドラマ放映前から評判になった天海祐希主演「女王の教室」
連続ドラマが始まる前には、ドラマのコンセプト・脚本・キャスティング等をPRしていくのですが、ここで思い浮かべるのが、以前このコラムでも書きましたが、2005年に日本テレビで放送された「女王の教室」です。
これは、脚本家遊川和彦のオリジナル作品で、日本テレビの大平太がプロデュースして、同じく日本テレビの大塚恭司が演出しました。
主演は、天海祐希で、悪魔のような鬼教師と小学6年の子どもたちの戦いを描いた学園ドラマです。始まる前からPRが利いて、"こんな教師がいる訳がない""いや、そんなことはない"と世の中の評判となりました。それで、第1話が放送されると、大塚の演出も良く、14.4%の数字を取り、最終話は25.3%(ラストシーンの瞬間視聴率は31.2%)という高視聴率を獲得しました。
まさに「第1話が始まるまでのパッケージ感」と、「第1話の"出来"」の勝利なのです。