1800万円ベンツ、勝手に売られた 「個人間カーシェア」悪用相次ぐ

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   「1000万円以上するベンツやスカイラインGTRといった高級車が、勝手に売買される被害が相次いでいます。個人間カーシェアリングという新しいサービスを悪用した犯罪です」と司会の羽鳥慎一が10日(2021年6月)、取り上げた。

   30代のAさんは2年前、スカイラインGTRの中古車を900万円で購入したが、毎日乗るわけではないので、「エニカ」というカーシェアリングサービスを通じて、乗らない日に貸し出すことにした。「貸出使用料は1日3万5000円で、50万円くらいにはなっていたかな」話す。2月に女性から借りたいという連絡が入り、何度かアプリ上でやり取りした後、男性と二人連れで現れて、5時間貸し出すことになった。しかし、返却時間になっても戻ってこなかった。電話にも出なくなった。

   警察に通報したが、Aさんが驚いたのはその後だった。「中古車販売店から、車の所有を確認する電話があって、貸した数時間後には600万円で売られていたことがわかったんです。私から借りる前に、すでに『この日に持っていくから』と売る約束をしてたんです」。Aさんに車は戻ってきた。

  • 個人間カーシェアの問題を番組は取り上げた(写真はイメージ)
    個人間カーシェアの問題を番組は取り上げた(写真はイメージ)
  • 個人間カーシェアの問題を番組は取り上げた(写真はイメージ)

玉川徹「構造そのものに盗難リスクが」

   クルマ投資で稼ぐつもりでベンツGクラスを1800万円で購入したBさんは、1日5万円で貸し出していたが、ある日、「多分、あなたのクルマは盗まれている」と電話があり、警察に出向くと、たしかに自分のベンツが保管されていた。3時間前に20代男性に、14時から20時までの6時間の契約で貸し出していた。しかし、その時にはすでに900万円で売却されることになっていて、引き渡しの時のやりとりに不審を感じた購入者が問い詰めると、運転してきた男は走って逃げたという。行政書士を名乗り、名刺は偽物だった。

    自動車生活ジャーナリストの加藤久美子さんは、「コロナ禍もあって、個人間カーシェアの利用者は50万人になっています。それに伴ってトラブルも増加してます」と話す。

   「エニカ」は「すべての利用者に注意を喚起します。今後は詐欺・横領等を対象に、最大1000万円までの補償を考えています」と説明している。カーシェアリングを利用しているという玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)は、ビジネスモデルに問題はないかと指摘する。

「構造そのものに盗難にリスクがありますよね。マンションやハワイのコンドミニアムなどのシェアリングでは、はっきりした会社が間に入って責任を負います。個人間はそれがない」

   たしかに、借りにきた人が何者なのかわからないのに、1000万円以上のものを貸してしまうというのはリスクが大きすぎる。いまのところ被害にあっているのは高級車のようだが、大衆車も対象になって、海外に売り飛ばされるなんてことに広がりかねない。

(カズキ)

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