ワクチン打ちに「社員旅行」 社長がアメリカ行きを決めたワケ

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   きのう9日(2021年6月)、2年ぶりに行われた党首討論で菅義偉首相は「ワクチン接種は切り札だと思っている。今年10月から11月にかけては希望する国民すべてにワクチンを打ち終えることも実現したい」と語った。その実現のカギを握るのが職域接種とされている。政府はその申請数が1034件にのぼったと発表している。10日の「あさチャン!」が取り上げた。

   申請した企業の1つ、GMOインターネットでは従業員5000人に加え、その家族や取引先、近隣住民、さらに従業員の恋人までが接種対象とするとしている。また日本郵政グループは窓口業務や配達員など約12万人を対象に「職場接種」をすると発表した。

  • ワクチンを打ちにアメリカへ
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社長「職場接種ができるほど大きな会社ではない」

   ただし、職場接種が申請できるのは大企業など一部の企業。中小企業には会場や医師の確保、資金など、高いハードルがある。東京・大田区のダイヤ精機は従業員25人。1人がコロナに感染するだけで製品が作れない事態に陥ってしまうため早めのワクチン接種を願っているが、ハードルが高く申請できないと話す。東京・練馬区のスーパー、アキダイの秋葉社長は「羨ましい。従業員は1日1000人~2000人と仕事に携わるので、なんとか一日も早く接種を受けさせてあげたいが、職場接種を準備する時間がない。商店街で実施するなどのくくりがあってもいいのに」と話す。

   そんななか、社長と社員6人で米・ロサンゼルスへの「ワクチン社員旅行」に踏み切ったのは、京都で飲食店を経営するROOTZ社だ。ロスでは観光客でも予約なし、無料でワクチン接種をしてもらえる。一行は車で移動しながら、ワクチン接種を行っている大型スーパーに向かったが、この日は実施されておらず、さらに移動。ドライブインタイプの接種会場に到着し、接種を受けた。

   ファイザー製、モデルナ製、ジョンソンエンドジョンソン製から好きなワクチンを選べると聞き、彼らは1回の接種で終わるジョンソンエンドジョンソン社製を選択。パスポートを提示し、電話番号、住所、アレルギーの有無だけを問われた後、車の中で接種を受けた。

   「1人2~3分くらい。簡単だった」と社長は言う。今後は副反応がないかなど様子を見たあと帰国するという。米国への飛行機代、ホテル代は会社が負担。さらに帰国後も2週間の隔離措置もあるが、「時短営業、お酒の提供もできないまま続けるのかを考えた時に先を見据えたら、このほうがコストパフォーマンス的にはいいんじゃないかと考えた」と言う。決断のきっかけは緊急事態宣言の延長で、「職場接種ができるほど大きな会社ではない。お客様の安全を考えると自分たちで行動するしかないと考えた。間違っていないと思う」と言う。

   MCの夏目三久は「前進するための選択だったわけですね」とニッコリ。

   国際情報誌「フォーサイト」元編集長の堤伸輔は「気を付けてほしいのは副反応。ケアをしっかりしてほしい。これも一つの選択ですね」と話した。

(バルバス)

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