「東京の観光名所、浅草の商店街の一部が存続の危機を迎えています」ときょう9日(2021年6月)の「スッキリ」で岩田絵里奈アナウンサーが切り出したのは、浅草・伝法院通りにある32の店が台東区から立ち退きを要求されているというニュースだ。期限は今月30日だという。
伝法院通りは浅草寺の南側を仲見世通りと交差する形で伸びる。土産物店が立ち並び、コロナ前は外国人観光客でにぎわっていた。問題となっているのは、この一角で戦後間もないころから紳士服店や時計店などを営むレトロな風情の32の店舗だ。
大竹真リポーターが8日に現場を訪れ、「浅草伝横商栄会」の西林宏章会長に話を聞いた。それによると、伝法院通りでの商売が始まったのは50年以上前で、元々は路面販売だった。1970年代後半に伝法院通りの一角に浅草公会堂を建設することが決まり、一帯を区画整理することになった。
「話し合っていい形に落ち着いてほしいですね」
伝法院通りも砂利道を舗装するため立ち退きを求められたのだが、その際、「撤去する代わりに、戻ってきたときには今後の販売場所として元の場所を提供し、店舗の建設も認める」という約束を区長と交わしたのだという。この約束に基づき、店主らは区画整理後、戻ってきて店舗を建設して現在に至っている。しかし、当時の区長はすでに亡くなっており、証明するものは残っていない。
この約束について区は「そういった事実があるかについてはわからない」というスタンス。商栄会は営業継続の賛同を得るために今年5月から署名活動を進めており、すでに7000の署名が集まった。「一番いいのはこのまま営業できること。妥協案を求めて、何とか区と話したい」と西林会長は話していた。
岩田アナは「書面がないと証明が難しく、法的には区の言い分が強い。話し合いで決着がつかない場合は、行政による強制執行の可能性もある」という菊地幸夫弁護士の見解を紹介した。
エッセイストの犬山紙子「法的には不法かもしれませんが、歴史や文化を作ってきた側面もある。何か折衷案はないのかなと思いますね」
競泳元日本代表の松田丈志「書面がないというのは区側の責任でもあります。今からルールを作ることだってできると思います」
MCの加藤浩次「長いことやっていて、当時の区長さんが約束したというなら、今になって立ち退けというのは難しいのでは。書面がないからダメというのはあまりにもお役所仕事。話し合っていい形に落ち着いてほしいですね」
(キャンディ)