「武漢流出説」打消しの深層 「米研究所の資金」との関係

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   「新型コロナウイルスの起源をめぐって、ウォールストリートジャーナルは、アメリカの国立研究所が『中国の武漢ウイルス研究所から流出したという説は説得力があり、あり得る』との見解を示す報告書を去年(2020年)5月にまとめていたと報じました。この報告書は機密扱いだったということです」と司会の夏目三久が伝えた。

   9日(2021年6月)の「あさチャン!」が伝えたのは、7日付の米ウォールストリートジャーナル紙の記事だ。それによると、報告書をまとめたのは米ローレンス・リバモア国立研究所の情報部門。この研究所は生物学に関する専門知識が豊富で、ゲノム解析などを行って報告書を作成したという。

  • アメリカの議会内にある「見方」とは
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コウモリのウイルス研究の資金提供

   2020年5月と言えば、世界中に感染が広がり、一部都市では封鎖措置を取るなど、危機的状況が続いていたころだ。その時すでに武漢流出説に関し「さらなる調査が実施されるべきだ」と結論付けられ、機密扱いになったということになる。この報告書は、トランプ前政権下でパンデミックの起源を調査した際にも国務省が参考にしたということだ。

   再び浮上している武漢流出説だが、中国メディアは2020年、武漢の研究所職員のSNSを紹介し、この見解について否定していた。この職員は、通称「バットウーマン」と呼ばれるコウモリ研究の第一人者・石正麗氏で、「私セキ・セイレイは研究所が無関係であると命をかけて保証します」とSNSで訴えていた。

   コウモリウイルスをめぐっては、アメリカで新たな問題が浮上している。政府の感染症対策本部の主要メンバーであるアンソニー・ファウチ氏が所長を務める米国立アレルギー感染症研究所が、委託先を通して武漢ウイルス研究所にコウモリのウイルス研究の資金提供をしていたのだ。資金提供はオバマ政権の時から続いていたとされ、その額は5年間で約6000万円以上にのぼるとされる。

   ファウチ所長は当初、「ウイルスは自然発生したものである可能性が高い」として流出説を否定していたが...。アメリカ政治に詳しい明海大学の小谷哲男教授は「アメリカの議会共和党の中には、この資金の流れに関わっていた人たちが意図的に、この流出説を打ち消そうとしていたのではないかという見方があります」と話している。

(ピノコ)

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