ワクチン接種が全国に広がるなか、商店街の割引チケットやタクシーの送迎割引など、各地で始まった「特典」サービスや21日(2021年6月)に始まる職場接種の問題点を8日のスッキリは取り上げた。
ワクチン接種(2回)がどこまで進んだか。医療従事者などが480万人のうち約71%の340万人余り。約3600万人の高齢者らはまだ約2.5%、90万人余りというのが現状だ。
こうしたなか、大阪府羽曳野市では、市と商工会が連携して、2回接種が終わった人に、2000円の割引券を配っている。ワクチン接種のスピードアップとともに地域活性化にも貢献できる、としている。
神奈川県横須賀市では、百貨店のフロアがワクチン接種会場になり、1回接種が終わった人にスーパーの惣菜が1割引き、高額ジュエリーなどは3割引き、としている。
緊急事態宣言などの地域は解除次第、順次スタート
居酒屋のワタミグループでは、今月から、ワクチン2回接種者に生ビール1杯を無料とするサービスを始めた。「飲食業界は瀕死の状態。外食、居酒屋を元気にしてまいりたい」と渡邉美樹会長は言う。緊急事態宣言などの地域は解除次第、順次スタートする。
配車サービスのウーバージャパンは、ワクチン接種会場へのタクシー料金補助サービスを始めた。自宅と会場を往復する際の運賃で、乗車1回につき最大2000円を補助する。5月18日から東京都や大阪市など11都市でサービスを開始。「母(86)は足がちょっと悪いんです。うちの娘がこのサービスを知っていました」と母親の送迎に使った男性(50)は言う。片道1300円、往復2600円が無料になった。
このほか、ニューヨークでは、主要な地下鉄駅で接種を受けると、7日間乗り放題のメトロカード(33ドル=約3600円相当)をもらえる。オハイオ州では、1回のワクチンを打った18歳以上の人は、当選すれば(抽選で5人)100万ドル(1億1000万円)がもらえる。
一方で、21日から始まる職場接種の準備状況はどうか。
東京のGMOインターネットでは、社員食堂を会場に予定、1日1000人を接種する予定だ。例年インフルエンザの接種をしているシステムに従って、グループ会社ごとに割り振って進めるという。不安なのはワクチンの確保。政府の指針がなお明確でなく、ワクチン供給の時期や量は確定していない。
職場接種は1000人以上が接種できる企業が対象で打ち手は「産業医」だ。中小企業が集まって共同で職場接種することも可能だが、産業医が常駐しない会社は打ち手が確保できない。
MCの加藤浩次「企業としてもワクチン接種者が多くなると、企業も経済も回っていくということですよね」
(栄)