「五輪は尾身会長の所管ではない」論への違和感 加藤浩次「含めて決めたいと言えばいいのに」

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   東京五輪の開催をめぐり慎重論を展開する政府分科会の尾身茂会長と、開催に突っ走る政府との「溝」が深くなっている問題を、7日(2021年6月)の「スッキリ」は取り上げた。

   尾身会長の一連の発言を追うと――「こういうパンデミックにやるということが、普通はない。やるなら、強い覚悟でやってもらう必要がある」(3日、参院厚労委)。「選手と一般の人が接触するというより、この五輪を契機にして、日本のなかの人の動きが動く。これをどうやって抑えていくか、これの方がはるかに大事だ。われわれのリスク評価をもし、政府・組織委員会が聞いていただけるなら、そうした中で判断していただければと思います」(4日、衆院厚労委)――このなかで、尾身会長は、政府などが観客の上限を決定する前に、独自に専門家による提言を発表する考えを示した。「感染リスクの評価。感染対策。人の動きに対して国が強く対策をとった場合とそうでない場合の感染者数の差」を柱とする提言になる。

  • どうなる五輪開催
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「調整会議」で議論

   これに対し、政府側は、丸川珠代・五輪担当相が、「われわれはスポーツの持つ力を信じて今までやってきた。別の地平から見てきた言葉をそのまま言っても、なかなか通じづらいというのは私の実感」(4日、記者会見)。田村憲久厚労相は、「自主的なご研究のご成果の発表として、受け止めさせていただく」。

   政府は「五輪の感染対策」については分科会に諮問しない方針だ。尾身氏らの「独自の提言」について、政権幹部は「尾身会長の立場では、五輪をやめろという提言しかできない」「五輪は尾身会長の所管ではない」。「五輪のコロナ対策」については、東京都や組織委員会のメンバーが参加する「調整会議」で専門家を含めて議論している、という。これまでのコロナ対策と「五輪のコロナ対策」を使い分け、五輪については分科会をはずして、「調整会議」で議論するというのだ。

   ここで、持ち出された「調整会議」とは昨年9月に設置され、内閣官房、厚労省、東京都、大会組織委員会の幹部ら約30人で構成、感染症専門家2人がアドバイザーとして参加する。観客の人数や競技会場の感染対策などを議論し、尾身会長が指摘する「一般的な国内の人流までは検討していない」(内閣官房審議官)という。

   MCの加藤浩次「オリンピックをやる前提で話を進めているのに、水を差すな、的なことを(閣僚たちが)言っても全く意味ない。ちゃんと(分科会の)意見を聞いて、日本の感染症の専門家の意見をすべて集めるくらいのつもりでやらないと。世の中の皆さん、国民のみなさん、こうやったら五輪ができるんです。と言う形が一番いいと思う。分科会の意見も含めて考えて決めたい、と言えばいいのに」

   尾身さんらの「専門家提言」と、菅首相の「コロナ五輪構想」と比べて、決めたい。 専門家の「口ふさぎ」だけはやめよう。

(栄)

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