2日(2021年6月)の衆院厚労委で「この状況でオリンピック何のためにやるのか。パンデミックでやるのは普通でない」と発言したコロナ対策分科会の尾身茂会長。翌3日には「我々の考えをしかるべきところ、場所に表明するのは我々の責任」と提言を行うことを明らかにした。尾身会長は「一生懸命自粛しているところにセレモニーとかお祭りの雰囲気が出た時に、人々はこれはなんだと思う」として、20日までに考えをまとめるという。
しかし、これに対して田村憲久・厚労大臣が「自主的な研究成果の発表と受け止めさせていただく」と発言し、波紋を呼んでいる。7日の「モーニングショー」が経緯を追った。
丸川珠代・五輪担当大臣も「我々はスポーツの持つ力を信じてやってきた、まったく別の地平から見てきた言葉を言っても通じにくい」と発言しているが、ネット上では「自分たちの意向に反する発言をした途端、自主的な研究成果。自分たちの考えにお墨付きを与えるだけの専門家は要らない」「GoToの時は専門家の意見を利用した」と反発が上がっている。
田崎史郎「しっかり受け止めたほうがいい」
自民党内からは「(尾身会長は)言葉が過ぎる」「腹立たしい。何か勘違いしているんじゃないか」といった声が出ている一方で「独立した組織なんだから自由に言ってもらったほうがいい」「言われても仕方がない。だからこそワクチンだが、なんでこんなに官邸が機能しない?」といった声も。
一部では菅総理が「黙らせろ、勘違いしている」と激怒し、田村大臣が菅総理に叱責されて萎縮しているという報道も流れている。
北村義浩(日本医科大学教授)「(尾身会長は)私どものいいたいことを綺麗にまとめてくださっている。日本人の健康だけではなく、世界の健康安全も配慮している」
田崎史郎(政治ジャーナリスト)「(田村大臣、丸川大臣の)お二人の発言はよくない。去年の秋以来専門家を利用し、意見をいうとからかうような発言しているが、批判して何の得になる。尾身さんのご意見ふまえて『安全安心な大会を目指します』と言えばいい。発言をよく読むと8割から9割はその通り。しっかり受け止めたほうがいい」
石原良純(気象予報士・タレント)「リスク提言を真摯に受け止め、『次にこうするがどうですか』『それでは足りませんよ』となるのが正常」
山口真由(弁護士)「オリンピックが政治になっている。専門家の発言を政治利用するのは左右両方」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「田村さんはわかっていると思っていたが、大臣になって権力のなかではダメだった。丸川さんはどこの地平の話ししているのか。もしかしておとぎの国の地平かな。一方、尾身会長も分科会が政府に忌憚なく言えてるんだったら、なぜどこの国より早くワクチンを入手する表立った提言をしなかったのか。去年の12月からワクチンを打っている状況だったら、オリンピックどうのこうのという話になっていなかった」
(みっちゃん)