「新型コロナウイルスは、武漢の研究所から流出したものなのでしょうか。その発生源をめぐる議論が再燃しています」と司会の夏目三久。日比麻音子アナが「アメリカの感染対策のトップ、国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は中国に対し、体調不良を訴えていた武漢のウイルス研究所の所員3人のカルテを開示するよう要求しました」と続けた。
7日(2021年6月)の「あさチャン!」が取り上げたのは、英紙・フィナンシャルタイムズが4日に掲載したファウチ所長のインタビュー記事を元にした情報だ。
新型コロナウイルスの起源を巡っては、アメリカのバイデン大統領も5月26日、追加調査を行い90日以内に報告書を提出するように情報当局に指示するなど、再び注目さている。
政権交代との関係
今月3日には米雑誌「ヴァニティ・フェア」が40人以上の関係者へのインタビューなど数カ月にわたり取材した記事を掲載。例えば、ハーバード大学などが運営する研究施設所属の生物学者の論文を引用し、「ウイルスが動物から人間に感染した場合、2002年に発生したSARSのように突然変異など多くの痕跡が見られるはず。しかし新型コロナにはそれらの痕跡がなく、人への感染にあらかじめ適応していた」と、自然発生説に疑問を呈す内容が掲載されている。
さらに、去年発表された論文を分析した記事では「中国では2019年に遺伝子編集技術を使って肺をヒト化したマウスで新型コロナウイルスの感受性を調べていた」としており、これを知ったNSC(米・国家安全保障会議)の関係者は「どのウイルスが人に感染するのか調べていたのだろうか」と疑問を抱いているという内容も掲載されている。
アメリカ政治に詳しい明治大学の小谷哲男教授は「(ヴァニティ・フェアは)アメリカ政治を含め幅広い内容を取り扱っているが、かなり詳しい調査をしたうえで出版している。信ぴょう性は非常に高いものだと思います」と話す。
なぜ起源をめぐる議論が再燃したのか。小谷教授は「政権が変わったことが非常に大きな要素。トランプ前大統領の場合は、コロナ対策が後手後手になり、被害が広がってしまったという批判を受け、その批判をかわすために中国に目を向けた。バイデン政権の場合は、これを政治的に利用するという考えよりも、科学的な観点からウイルス発生源を突き止めようという動きになっている」と話している。
(ピノコ)