「きのう(2021年6月6日)は嬉しいニュースが入ってきました。陸上の山縣亮太選手が男子100メートルのレースで9秒95をマーク。2年ぶりに日本新記録を更新しました」と司会の夏目三久が笑顔で伝えた。「あさチャン!」は、鳥取で行われた「布施スプリント2021」のレース後の山縣選手(28)を直撃、その喜びの声を届けた。
レースから2時間後、カメラの前に現れた山縣選手は「(日本新が)出ましたね。まだ運が残っていました、僕に。風吹かないかなーと思って」と笑顔で話した。
2016年のリオ五輪では4×100メートルリレーの第1走を務め、日本の銀メダル獲得に大きく貢献した山縣選手。しかしここ2年は肺の病気やケガに苦しみ、レースに出場できない日々が続いていた。昨シーズンの自己ベストも10秒42と、かつての輝きは完全に失われていた。
「自分が足踏みをし続けているという状況に対して...」
さらに、桐生祥秀選手やサニブラウン・アブデル・ハキーム選手など、しのぎを削るライバルたちが次々と9秒台を出し、大きな差が。去年8月には、インタビューに答え「誰が(9秒台の壁を)突破したということよりも、自分が足踏みをし続けているという状況に対してもどかしい気持ちが強い」とその心中を明かしていた。
それでも地道な努力を重ねて向かったきのうの「布施スプリント」決勝。サニブラウン選手の日本記録を0.02秒縮めて新記録を達成した。
「本当に9秒台出せるのかと思った時期もあった。(五輪参加標準の)10秒05は見えても、9秒台はさらに先というのがあったので。追い風参考でもなんでもいいからとにかく9秒台を出したかったので嬉しい。早くこの9秒台との戦いを終わらせたかった」とレースを振り返った山縣選手。今月末に行われる日本選手権で3位以内に入れば、東京五輪に内定する。
「日本選手権でしっかりチャンスをものにしてオリンピック出場を決めて、オリンピックの準決勝でまたベストを更新できるように。そんな走りがしたい」と抱負を語った。
夏目「『あさチャン!』でも山縣選手の姿をずっと取材してきました。苦しい時もいつもまっすぐにインタビューに答えて下さっていました。本当に良かったですね」
(ピノコ)