「16歳以上を対象に進められているワクチン接種ですが、ファイザー製のワクチンについてはきのう(2021年6月1日)から12~15歳の子どもの接種も可能になりました」と司会の夏目三久が切り出した。東京・千代田区は、6月下旬の16~64歳の接種券発送に合わせ、12~15歳の接種券発送を目指しているという。
しかし対象年齢の子どもを持つ保護者たちからは、「もし何かあった時って考えるとちょっと心配」(12歳の母親)など、副作用を不安視する声が多く聞かれた。
番組は、専門家に疑問をぶつけた。
「今後」の事態を想定か
日本ワクチン学会理事で長崎大学大学院の森内浩幸教授は「若い人の方がやはり強い副反応が出てしまいます。12~15歳は20代30代と変わらないかそれ以上に熱や痛みなどの副反応が出る恐れがあると思って、構えておく必要があります」。
また、厚生労働省ワクチン分科会会長代理を務める川崎医科大学の中野貴司教授も「年齢区分で比べれば、年齢の若い方が痛みとか発熱の頻度が高い可能性があると思いますので、そこは十分注意しないといけない」と話す。
実際、ファイザー社の治験では、1回目のワクチン接種後に38度以上の発熱があった人の割合は16歳以上が2.7%だったのに対し、12~15歳では10.1%だった。
子どもは重症化しにくいと言われているが、それでも12~15歳のワクチン接種は必要なのだろうか。森内教授は「現時点での個人的な見解としては、健康な子どもたちであれば接種しない方が良いと思っている。12~15歳の副反応に関してはまだまだ十分なデータは出ていません。今の治験のデータぐらいで健康な子どもにすぐに摂取するということは、少なくても推奨することは難しい」。
では、なぜこのタイミングで接種年齢は引き下げされたのか。中野教授は「今後、子どもが重症化するような変異ウイルスが広がった場合を想定してのことではないか。急いで接種をしようというより、今のうちに接種体制を整えておきたいという狙いなのでは」と話している。
(ピノコ)