五輪ボラ、ワクチン「丸腰」不安も いよいよ選手団1号が来日

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   きょう1日(2021年6月)朝7時45分。成田空港に五輪選手団の第1号となるオーストラリアの女子ソフトボール選手団が到着した。受け入れ先の群馬県太田市は歓迎ムードが盛り上がる一方で、なお五輪中止による直前キャンセルを心配するホテルやバス会社の表情を「スッキリ」は取り上げた。五輪開会式まで、あと52日。

   群馬県太田市の清水聖義市長は、「われわれとしたら、またオーストラリアのチームが来てくれて、単純にうれしいな、と」。女子ソフトの豪選手団は、五輪の過去4大会でメダルをとっている強豪チームだ。けさ来日した選手とスタッフ計33人は、ワクチン接種済み。47日間の事前合宿をする太田市のホテルでは、本来は結婚式場の3階フロアを選手専用の食事会場とし、8、9階を選手団専用フロアとする。

   一方で、茨城県笠間市は7月15日から米国スケートボード選手団を受け入れる予定だが、こちらは全館貸し切り。しかし、コロナの影響で合宿が中止になる可能性もあり、ホテル側は「仮に7月になってから中止となれば、数百万円の損失が出ます」と心配する。全国で1000以上登録されているホストタウンは、5月25日までに71自治体で事前合宿が中止となっている。

  • 五輪選手団第1号が来日した
    五輪選手団第1号が来日した
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通訳や選手らを誘導するボランティアには接種予定だが

   都内のバス会社では、選手村とウエイトリフティングの会場となる東京国際フォーラムを2台のバスで送迎する予定だが、「選手村に出入りするバスの乗務員へのワクチン接種の話などは一切ないので、少し不安だ」と責任者は言う。依頼のあった大手バス会社の契約書類には「大会中止や延期の場合の補償はございません」。「(延期になった)去年はファックス一枚で全部キャンセルになったので。五輪開催の1カ月前(6月中旬)くらいがギリギリのタイムリミットだと思う」。

   大会ボランティアにも不安は広がる。会場で観客を誘導する予定の男性は「感染対策」を心配する。「海外の選手や関係者は過半数がワクチンをしてこられるだろうが、われわれ8万人のボランティアは『丸腰』。海外の人から見ると、本当にそれは安全なのか、私は逆に心配です」。丸川珠代・五輪担当相は先月25日、ファイザー社の無償提供ワクチンを大会ボランティアも接種対象にする、と表明したが、これは通訳や選手らを誘導する人員に限定。

   英国選手団を迎える川崎市と、フランスの選手団を迎える新潟市を、番組は比べてみた。

   英国は陸上やラグビーなどオリンピックが約200人(7月2日~8月5日)、パラリンピックが約100人(8月11日~9月2日)。横浜市内のホテルや大学のキャンパスで受け入れる。フランスの空手選手団最大23人は、7月下旬から8月下旬まで新潟市内のホテルに。

   ただ、PCR検査の実施方法など国や大会組織委員会の指針がまだ決まっていない。新潟市によると、PCR検査は「72時間に1回」としていたのが5月上旬に「毎日」と変更され、移動の新幹線についても「車両貸し切り」とするよう変更があるなど、最終的なコロナ指針決定が「6月中」とされ、ギリギリの対応は難しい、としている。新潟市では、ロシアの新体操選手団役40人が、先週金曜日に事前合宿中止の申し出があったばかりだという。

   ワクチン接種はドタバタしながら広がっているが、一皮めくれば綱渡りの実情が見える。

(栄)

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