新型コロナウイルス感染症の拡大を抑えるカギとして、「余ったワクチンをどう使うか」がポイントになってきた。「キャンセル待ち登録」「接種券がなくてもOK」システムを導入した自治体を、番組はとりあげた。
三重県亀山市は、高齢者のワクチン接種率は約5%。5月10日(2021年)から、64歳以下(16歳以上)を対象に「キャンセル待ちの登録システム」を適用している。キャンセルが出た場合、接種券をまだ送っていない64歳以下の人に「キャンセル登録」をしてもらって、余ったワクチンを接種するシステムだ。登録者は、28日時点で562人。このうち14人が接種を受けた。市健康福祉部によると、30代1人、40代3人、50代5人、60代5人。
北海道の千歳空港の近くにある由仁町では、これまでに、80代以上にしか接種券を送っていない。ただし、接種会場まで約15分以内に来場できるなら、接種券を持っていなくてもワクチン接種が可能だ。キャンセルが発生したら市の保健福祉課が登録者に電話連絡、身分証明書があれば「即日交付」という形で接種している。4月1日から実施。約130人が登録、5人が接種した。
「月に100万人(分)程度が廃棄されるリスク」指摘も
都心部では、大きな企業の目の前にクリニックがある場合も多く、これから「キャンセル待ち」システムが拡大する可能性がある。
こうした取り組みについては、首相官邸のツイッターでも、「各自治体において、接種券をお持ちでない方についても対象とするなど、廃棄することなく、柔軟に対応いただきたいことを、お示ししております」と、推奨している。
ワクチン接種回数は、先週の木曜日(5月27日)現在で、高齢者等が約5.5%(7200万回のうち397万9962回)。河野太郎ワクチン担当相はワクチン接種加速のため29日、「7月末までに高齢者が確実に打ち終わることを、首長さんが約束してくれれば、独自の優先枠を設けて、打っていただいて結構です。そこは首長さんの裁量の範囲でやっていただきたい」と、自治体独自の取り組みに期待した。
ワクチンはどれほど余るのか?医療法人社団ナイズクリニックは、「1日あたり1人か2人。毎日キャンセルが発生すると、月に100万人(分)程度が廃棄されるリスクがある」。予約者が体調を崩したり、仕事でキャンセルとなったりする場合があり、全国で約2万の医療機関がワクチン接種をする、としての計算だ。
MCの加藤浩次「(基礎疾患ある人優先か64歳以下全般かなど)順番を探っているうちに時間が経ってしまうこともあるし、来れる人優先というのも大事かもしれない」