「新型コロナウイルスの感染者が世界で1億7000万人を超えました。こうした中、ベトナムでインド型とイギリス型が混合した、新たな変異ウイルスが確認されたことが分かりました」と司会の夏目三久が伝えた。
ベトナムのグエン・タン・ロン保健相はおととい29日(2021年5月)、「いわばハイブリッド型の新たな変異ウイルスが確認された」と発表。さらに、「このウイルスの特徴は、空気中で強い感染力、拡散力を持つこと」とし、「非常に危険だ」と警戒を呼びかけた。
ベトナムの感染確認者数が急増
どの程度拡大しているかなど詳しいことは分かっていないが、この新たな変異ウイルスの発見は、米ニューヨークタイムズやインドの放送局のニュースサイトなど世界中のメディアがこぞって報道している。
これまで新型コロナウイルス感染の抑え込みに成功してきた国とされてきたベトナムだが、4月下旬から感染者が急増。これまでの感染者数は累計で6908人(5月29日時点)だが、そのうち4000人近くが5月に入ってから確認されている。
東京歯科大学市川総合病院の寺嶋毅教授は「急増には、新たに登場した変異株が関与していると考えても不思議ではない」と話す。また、空気中での感染力の強さについては「空気感染という能力を獲得したというよりは、英国株に見られるように我々の細胞によりくっつき易いのでは。密な環境では1度に多くのひとに感染が広がりやすいタイプではないかと思われます」と述べている。
一方、中国の広州市では5月下旬以降、20人以上のコロナ感染者が確認され、多くはインド型の変異ウイルスと見られている。広州市では「PCR検査の陰性証明がなければ鉄道やバス、車などで市外に出られなくする」という通知が発表された。移動規制はきょう31日の夜から実施されるという。
(ピノコ)