先週金曜(2021年5月28日)の会見で、緊急事態宣言の3週間延長を表明した菅義偉総理だが、五輪開催の具体的基準についての質問に「感染対策を講じて安心して参加できるようにする」と正面から答えず、観客についても「緊急事態宣言下でも野球やサッカーなど行っている。対応できると思う」と観客有りでの五輪開催に意欲を示した。
政府関係者からは「飲食業や宿泊業も潤う」として経済の波及効果を期待する声も聞かれる一方で、基本的対処方針分科会の釜萢敏氏は「国内の人流が増えることは感染拡大につながる」と全国から人が集まることに懸念を示している。橋本聖子・組織委員会会長は「緊急事態宣言が明けた後に判断したい」としている。
選手からは「無観客なら参加しない」(テニス世界ランキング1位ジョコビッチ選手)、「無観客ならやりたくない」(ハンドボール日本代表主将、土井レミイ杏利選手)などの声も。
玉川徹「国民に納得してもらう過程が必要」
観客を入れる場合、全員にPCR検査またはワクチン接種を求め、会場では飲食、大声、ハイタッチなどを禁止するという政府原案も出ているが、はたしてどうなるのか。
小林信也(スポーツライター)「オリンピックは全国から人が集まってくることが問題。都道府県をまたがない人だけが観戦できる、あるいは無観客といった議論が必要。無観客の場合は、それでもオリンピックやるのかという話が出てくる」
山口真由(弁護士)「感情的反発はいろいろあるが、開催するなら成功したオリンピックにしなければいけない。やるんだったらどうしましょうという具体案が出てくるのは望ましい」
石原良純(気象予報士・タレント)「競技によって違うが、観客は入れるべき。移動制限をして競技を行う地域の人に入ってもらうしかない。(その場合は宿泊しないので)経済波及効果はないと考えないといけない。(宿泊や飲食の経済波及効果は)病気の拡散につながる。経済効果と感染対策は両立しない」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「一番の問題は菅総理が質問に答えられないこと。どうしてもやりたいんだったら国民に納得してもらう過程が必要」
(みっちゃん)