「テニスの4大大会の1つ、全仏オープンの1回戦に勝利した大坂なおみ選手。試合後の記者会見を拒否し、1万5000ドル、日本円でおよそ165万円の罰金が科されました」と司会の夏目三久。続けて、日比麻音子アナが「さらに、4大大会の主催者が連名で声明を出し、大坂選手が今後も会見に応じない場合は全仏で失格、その後の4大大会は出場停止処分の可能性もあると発表しました」と伝えた。
大坂選手は、大会前に自身のツイッターで、試合後に行われる記者会見について「アスリートの心の健康に十分に配慮していない」として、今回の全仏OPの期間中に行われる全ての記者会見に応じない意向を明らかにしていた。
ある種の「問題提起」
「試合に敗れたアスリートが、会見場で泣き崩れる映像をたくさん見てきました。あの状況は追い打ちをかけるようなものだし、そうする理由が分かりません」(大坂選手のツイッターより一部抜粋)
一方、大会の主催者は大坂選手に対して試合後の会見に応じるよう求めていた。
ロイター通信によると、大坂選手が記者会見に応じない意向について、男子世界ランク1位のジョコビッチ選手は「会見は競技の一部」としながらも、「時に不快なものになり得るのは理解ができる」とコメントしたということだ。
今回、全仏OPで解説を務めるプロテニスプレーヤーの神尾米さんは今回の事態を異例のことだと話す。「選手としては記者会見で答えなきゃいけない義務はある。でも、ここまで拒否をするということは、大坂選手にとって何か大きなことが起こったのではないか。その原因は私にもまだ見えていない」と神尾さんは言う。
国際情報誌フォーサイト元編集長の堤伸輔さんは「4大大会の関係者が示し合わせて、出場停止も打ち出してプレッシャーをかけるのはやり過ぎのように感じます。脅迫というと言い過ぎかもしれませんが。大坂選手はある種の問題提起をしているわけで、その前に、なぜ本人と話さなかったのか。大会主催者と選手とメディアの代表を交えて、記者会見がどうあるべきかという話をすべきだった」