テニスの全仏オープンが始まり、30日(日本時間、2021年5月)の女子シングルス1回戦で大坂なおみ選手(世界ランキング2位)は、ルーマニアのP・ティグ選手(同63位)にストレート勝ちした。試合後の記者会見に応じず、約165万円の罰金を科せられた。この問題を、番組が取り上げた。
大坂選手は、試合後のコートでのインタビューには応じ、「本当に勝ててよかった。(新しくなったコートは)とても美しいコートですね。まだ2試合しか経験したことがありません。屋根がなかった前回、そして今回。今後も勝ち続けたいわ。(どうやって順応する?)今はまだ調整中。プレーを重ねるたびに、徐々に調子を上げていきたい」。
「より厳しい制裁が科せられる可能性」
コート外での記者会見に応じない理由について、同選手はツイッターで、「試合で負けた後、記者会見室で心をへし折られる選手の映像を、もう何度も見てきましたし、皆さんもきっとそうでしょう。あの状況での記者会見は、落ち込んでいる選手たちに追い打ちをかけるものであり、なぜそのような会見が行われるのか、理解できません」。
大会では、勝敗に関わらず、会見に出席しないと最高2万ドル(約220万円)の罰金が科される規則がある。記者会見に応じなかった大坂選手に対し、4大大会の主催者であるグランドスラム・トーナメントは「大坂なおみ選手は本日、契約上の報道対応義務を果たさないことを選択しました。そのため全仏オープンのレフェリーは行動規範に基づき、1万5000ドルの罰金を科しました」とする声明を出した。
さらに「大会期間中にメディアへの対応義務を無視し続けることは、さらなる行動規範違反につながる可能性がある、ということをお伝えしました。違反を繰り返すと、大会からの退場、より多額の罰金や将来のグランドスラム出場停止につながる重大な違反調査など、より厳しい制裁が科せられる可能性があります」とも指摘した。
これに対し、大坂選手はツイッターで「anger is a lack of understanding. change makes people uncomfortable. (怒りは理解の欠如。変化は人々を不快にさせる)」としている。
これに対し、錦織圭選手は、「嫌な時もあるけれど、大会で賞金をもらい、いろんな人が大会を作り、関わってくれていることを考えると、(記者会見は)しないといけないことだと思う。大会のプロモーションの一環として、選手がやらなければいけないことの一つかなと思う」。ラファエル・ナダル選手は、「彼女の決断を尊重する。一方で、メディアが発信してくれなければ、僕たち選手が今のような知名度や人気を得られていないだろう。メディアもスポーツの重要な一部だと思う」。ノバク・ジョコビッチ選手は、「おそらく彼女なりの理由があるのだろう。時に会見は不快なものになりえるのはわかる。でも、それは競技の一部であり、ツアー生活の一部だ」。
MCの加藤浩次「(同僚のテニスプレーヤーは)大坂選手の気持ちはわかる。でも会見はやらなければいけないんだ、という。でも、それじゃ何も変わらないじゃないか。主催者側が、会見の時にルールを決めるとか、歩みよりもあっていいんじゃないか」「自分の選手生命を失うかもしれない発言をここまでしている人、その発言を、全体論で、まあやった方がいいよ、みたいな話は、ぼくは違うと思うんだけど」
大坂選手は、人種問題などでも積極的な発言をしてきた。記者会見の「change」について、主催者だけでなく、記者も議論に応じたらどうか。