東京都立高校の入試合格点に大きな男女差があるという。キャスターの森圭介アナは「模試を行っている会社が合格基準を予想したところ、A校では男子は830点でも合格なのに、女子は865点とらないと合格になりません。つまり、女子の方が合格が難しくなっているということです」と説明する。28日(2021年5月)の放送で取り上げた。
普通科の都立高校104校のうち85校にこの「男女差」
普通科の都立高校104校のうち85校にこの「男女差」があるという。来年受験する女子中学生から、「男子の点数に届いていたのに、落ちるというのはちょっと嫌だな」「合格点を揃えて欲しい」という声が上がるのは当然だろう。入試制度を研究している千葉大の小野寺みさき特任助教は、「入試の機会の平等が保証されていないということ。女子は内申書なんかも高くなりがちなので、合格基準が高くなっているのでしょう」
そもそも、募集枠に男女別定員があるのは都立だけなのだ。なぜこんな制度があるのか。70年前に教育制度の改革が行われたとき、男女に学力差があったため(女子が低かった)、女子を入りやすくするために男女別に定員を決めた。1980年ころからは女子の方が学力は高くなったが、制度はそのまま残っているのである。
都立高校の元校長・土肥信雄さんは「都立と私学で分けあって、だれでも入れるための工夫なんです」と話す。東京都内に私立高校は237校あり、うち80校が女子高で、都立が男女別定員を廃止してしまうと、女子生徒が都立に集まって、私立高校の経営が苦しくなるということらしい。また、別の校長は「入試の成績順で合否を決めると、女子が多くなり過ぎてしまう。男女別は男子が入学できる余地を残しておくため」と話す。
ナヲ(ロックバンド「マキシマム ザ ホルモン」ドラマー)「だったら、男子が頑張ればいいんであって、男女別にして差を付けるというのは、ちょっと違うと思いますね」
司会の加藤浩次「今年の合格者は女子が6割、男子が4割だけど、来年は変わるということだと思うんだけどね」
ジェンダーによる男女差別をなくしていこうという時に、都立高校の男女別定員は、入試だけでなく、学校のあり方を問う問題になりそうだ。