「ヨーロッパのスロベニアは、実はゴミ焼却場のないエコな首都が知られています。どのようにゴミを減らしているんですか」と、司会の夏目三久が27日(2021年5月)のワールド特派員リポートコーナーで問いかけた。パリ支局の富永高史記者が人口28万人の小さな首都リュブリャナに行くと、そこには徹底した分別と再利用の意欲があった。
スロベニア首都の取り組み
一般家庭の台所では、生ゴミ、プラスチック、紙など5種類に分け、市内の街角には種類別の収集ボックスが備わる。使用ずみの油は専用施設でリサイクルされる。家庭時点でゴミの70%が再利用され、30%は処理施設へ運ばれるが、そこでは一切燃やさず、再利用できる素材を抽出、残りも燃料や肥料にかえる。再利用率は90%以上という。
以前はほとんどが分別されずに埋められていた。20年前の映像はゴミの山。しかし、2014年に法改正、廃棄ゼロをめざした。学校でも分別の大切さを学ぶ授業がある。「分別はとても便利とわかりました。娘はプラスチックやガラスを取り出すのが大好きです」と主婦が話す。処理施設運営企業の女性は「焼却場は燃やすことで空気中に排出するから嫌いです」という。
富永記者「小さな首都だからできる面もありますが、80%を燃やす日本とは大違いです。スロベニアは本気で廃棄ゼロをめざしています」
夏目「すばらしい。市民の美しい街をつくろうという意識が伝わる気がしました」
(あっちゃん)