「男女平等」が叫ばれているなか、メディア、とりわけ影響力の大きいテレビ局はジェンダーの不均衡問題に先頭に立って取り組まなければならないはずだ。ところが、民放テレビ局の実態はトンデモなく「オヤジ社会」であることがわかった。
報道・制作の現場に女性局長ゼロというお粗末ぶり
民放テレビ局で働く労働者でつくる民放労連女性協議会が5月24日、全国の民放テレビ局を対象にした女性役員の割合調査の結果を発表した。127社のうち7割を超える91社で女性役員がゼロ、全社の役員総数1797人のうち女性は40人、わずか2・2%だ。2020年までに指導的地位の女性を30%程度にするという政府目標に遠く及ばない実態が明らかになった。全国のテレビ局で、女性会長がいるのは岐阜放送、女性社長は新潟テレビ21のそれぞれ1社だけだった。
このうち、全国に番組を配信する在京・在阪テレビ局では、女性社員比率は平均2割以上だが、役員になると在京4・6%、在阪1・2%に落ち込み、在京の日本テレビ、フジテレビ、在阪の朝日放送、毎日放送、テレビ大阪、関西テレビでゼロだった。在京・在阪とも報道、制作、情報制作部門の局長に女性はいなかった。現場の最高責任者に女性がいないという、信じられない「オヤジ社会」ぶりだ。ちなみに、女性役員比率が一番高いのは、在京ではテレビ東京、在阪では読売テレビ(他社はゼロなので)という結果になった。
調査は、全国127社を対象に、昨年4月~今年3月の会社発表資料と組合の職場調査を合わせて行われた。なお、NHKでは社員の女性割合は19・9%。役員(会長・副会長・理事)は12人中1人で8・3%、民放テレビ局よりは多少上回っている。(テレビウォッチ編集部)