千葉県は先週、公立校を対象に行ったセクハラ・体罰に関する実態調査結果を公表した。セクハラでは、身体を不必要に触られた(139件)、容姿・身体的特徴を話題にされた(101件)、性的な話・冗談を言われた(86件)に続いて、「男のくせに・女のくせに」と言われたという回答も38件寄せられた。24日(2021年5月)のスッキリでは、この調査を元に最近のスクールセクハラの実情を取り上げた。
「授業中の話の内容が性的で不快なことがあった」「進路の話をしているときに『結婚しそう、しなさそう』という話をされた」といった回答の他、静岡県で行われた同様の調査では「体育のときに『かわいいね』と言われて怖かった」とセクハラを訴える声が出ている。こうした中には、教師本人は、意図していなくてもセクハラととられた、と受け止めている例もある。
「男子のメイク」に容認論と反対論
教育評論家の内田良さんは「今ではセクハラといえるようなことも、子どもとの距離を縮めるためといってきた時代がある。ようやく現場も気づき始めている」と語る。
最近は「男性や女性はこうあるべきと言われて不快に感じた」という声も目立ち始めている。具体的には「徒競走で女子に負けた時『男のくせに負けたの?』と先生に言われた」「授業で先生が『女らしく』と言ったことが不快だった」など。
男らしさや女らしさをどう指導すれば良いのか、現場の教師からは悩む声も聞かれる。宮城県の女性教師は「メイクや美容に気を使う男の子が増えてきたが、『女の子じゃないんだから』という指導をしてしまったり、ベリーショートや刈り上げの女子に『そういう髪型やめなさい、女の子なんだから』といったりする場面が増えてきている。教師間でも意見が分かれていて、私たちの認識をアップデートしていくべきという若い先生に対し、(男子のメイクなどを)容認すべきでないという意見も根強くある」と語る。
榊原郁恵(タレント)「難しいなあ。私たち世代は『女の子なんだから女の子らしくしなくしなさい、男の子なんだから泣かないの』と言われた。私自身芸能界に入ってどれだけ体のことを言われてきたか。その時はいやだったけど、セクハラという言葉がなかった」
司会の加藤浩次「我々はそういう環境だったが、子供たちはアップデートされた環境で育ってきた。よかれと思っていっていることが相手を傷つけていることに気づかないと」 近藤サト(フリーアナウンサー)「10年大学にいるが、ジェンダーに関してはだいぶ変わってきた。男女ジェンダーではなく、個性と一人ずつ向き合うことがスタンダードになりつつある。今は一人一人の個を見て判断するしかないが、学生たちも声を上げやすくなったことはいいことだと思う」
橋本五郎(読売新聞特別編集委員)「サトさんの話聞いてなるほどと思いました。昔は勇気や強さを『男』という単語で、人に対する優しさや愛しさを『女』という単語で表現していたが、今は受け止め方が違うので言葉を変えていくことが重要かなと思う」
(みっちゃん)