朝ドラの内野聖陽と西島秀俊 「いつか2ショット」を期待
連続テレビ小説「おかえりモネ」(NHK総合ほか)

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   5月17日(2021年)スタートの朝ドラ「おかえりモネ」。物語は、宮城県・気仙沼市の離島・亀島で生まれ育ったヒロイン永浦百音が、高校卒業を機に、登米市の森林組合の見習い職員として働き始める――。

   ヒロイン・モネを演じるのは清原果耶。まさに朝ドラの申し子だ。2015年後期朝ドラ「あさが来た」で女中・ふゆ役を好演したのはわずか13歳。さらに19年前期朝ドラ「なつぞら」ではヒロインの生き別れの妹・千遥を演じた。そして、今回、ヒロイン抜擢。まだ19歳ながら、3度も朝ドラに出演し、まさに朝ドラの申し子。朝ドラファンにしてみれば、「おかえり果耶」という感じ。

  • NHK「おかえりモネ」番組サイトより
    NHK「おかえりモネ」番組サイトより
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子役でなく「いきなりのご本人登場」

   第1週「天気予報って未来がわかる?」ではモネの気仙沼の家族や、登米の森林組合の人たち、そして、モネに影響を与える気象キャスターなどが登場し、物語の始まりらしい展開を見せていた。

   モネの家族は、家業である牡蠣養殖業を継がず、地元の銀行に勤める心配性の父に内野聖陽、牡蠣養殖業を手伝うしっかり者の母に鈴木京香、2歳下の妹・未知に蒔田彩珠、そして、牡蠣養殖名人の祖父に藤竜也。さらに、祖母役の竹下景子。語りも担当しているのだが、すでに亡くなっており、牡蠣になってヒロインたちを見守っているという設定。過去には「ごちそうさん」でも、祖母がぬか床になり、ヒロインを見守り、語りを務めており、牡蠣になったことは驚かないが、出荷されないことを祈るのみ。

   森林組合には、モネが下宿する大山主・新田サヤカ(夏木マリ)、組合の佐々木課長(浜野謙太)、石ノ森章太郎ファンの古参職員・川久保さん(でんでん)、診療所の医師・菅波光太朗(坂口健太郎)がいる。今週は、そこに、テレビでおなじみの人気気象キャスター朝岡覚(西島秀俊)が登米にやってきて、町が大騒ぎするという流れで、人の役に立ちたいけれど、何をしていいかわからないとモヤモヤしているモネが、気象予報士の仕事を間近に見て、モヤモヤが晴れる、というようなお話だった。

   朝ドラといえば、毎回、少女時代を演じる子役が注目だが、今回、最初は子役という定石を破り、いきなりのご本人登場にいささか面食らったが、これはこれで新鮮だ。

温かい気持ちでモネの成長を見守ろう

   モネの父親役・内野聖陽と、気象予報士朝岡覚役・西島秀俊は、「きのう何食べた?」(テレビ東京)のケンジとシロさんではないか、と思ったら、脚本が同じ安達奈緒子だった。いつか2ショットになる日もあるかと期待したい。安達は清原の出世作「透明なゆりかご」の脚本も手掛けている。ヒロインのモデルはなく、完全なオリジナル脚本ということで、清原の良さを最大限に活かした脚本を作り出してくれるはず。

   朝岡に「震災の時は大変だったでしょう」と言われ、「私は震災の時に居なかった」と答えたモネ。どこか翳のあるモネが島を離れたかった理由などは徐々に明かされていくことだろう。

   東日本大震災から10年。東北を舞台にしたドラマを素直に応援したい。空の青さと、森の緑、そして、海。美しい景色が見られ、癒しの効果は抜群。だから、「スマホで1秒で天気がわかる時代なのに、『お天気って未来がわかるんですね~』と感動するのはおかしい」などと、重箱の隅をつっつくようなことはせず、温かい気持ちでモネの成長を見守ろう。(月~土 総合8時、BS7時30分スタート)

(くろうさぎ)

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