米モデルナと英アストラゼネカの新型コロナワクチンが、きょう21日(2021年5月)に新たに正式承認される。アストラゼネカは国内で生産するとあって期待が高まる一方で、副反応として血栓の発症が懸念されることもあり、具体的な使い道は決まっていない。21日の番組で、ファイザーやモデルナとの比較をMCの羽鳥慎一がパネルを使って説明した。
ファイザー、モデルナ、アストラゼネカの3つを比較
現在、医療関係者や高齢者への接種に使われているのは米ファイザーのワクチンで、今後、モデルナは大規模接種会場で使用される見通しだ。3つのワクチンを比較すると、有効性ではファイザーが95%、モデルナが94%に対し、アストラゼネカは76%。保存温度はファイザーがマイナス80度~マイナス60度、モデルナがマイナス20度と冷凍保存が必要なのに対し、アストラゼネカは2度~8度で「冷凍保存がいりません。冷蔵で半年保存できるという点が特徴になっています」と羽鳥。アストラゼネカは有効性で見劣りするが、日本ワクチン学会の森内浩幸理事は「(有効性が約60%という)インフルエンザのワクチンに比べれば有効性は高い。重症化や死亡を防ぐ効果は高いので、基本的に非常にいいワクチン」と評価する。
副反応については、100万回に12.3件の血栓が報告されており、「高齢者より若年層の発生率が高い」「男性より女性の方が多い」という傾向がみられるため、デンマークとノルウェーでは使用停止となっており、カナダやドイツ、フランスでは使用に年齢制限を設けている。
使い道はまだ検討段階だ。自民党ワクチン対策プロジェクトチームでは「優先順位にかかわらず、早く打ちたい希望者に接種したらどうか」という案が出ており、政府内には途上国など海外に譲渡する案もあるという。羽鳥は「冷蔵保存でいいので、かかりつけ医や開業医、離党などでの個別接種や訪問接種に使ってはどうか」という森内理事の提案を紹介した。
日本医科大の北村義浩・特任教授「アストラゼネカの有効率76%は十分高い。傘にたとえれば、どちらでも雨に濡れないレベルです。国内で使い道がないから途上国に譲渡するというのではなく、ちゃんと議論が必要だと思います」
廣津留すみれ(バイオリニスト)「アストラゼネカについては、私も女性で若年層なので年齢制限がどうなるのか気になりますが、血栓発生率など正しい知識を身につけて自分で判断しないといけないと思っています」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)は「僕は自民党案がいいと思う。感染力の高いインド株が広がりつつあることを考えると、自治体や国のラインとは別に、会社や大学などでアストラゼネカで接種率を上げることが大事だと思います」と珍しく自民党案に賛同していた。
(キャンディ)