中川会長は高級寿司屋で女性とシャンパン、コロナ重症者診療ない会員たち...日本医師会ってなんだ!?――ほか6編

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   週刊誌を読むと、品性下劣な連中の品評会である。だいぶ前に、日本人は生まれながらに善徳や品性をもっていると書いた数学者がいたが、大ウソだったことがよく分かる。トップバッターは日本医師会の中川俊男会長(69)。先日、週刊文春によって、自民党・自見英子参院議員の政治資金集めの会の発起人を務め、挨拶までしていたことを報じられた。

   それまでの会見では、何度も「コロナ感染拡大を抑えるのは各人の意識と行動」だと、国民に自粛を呼び掛けていた当人の軽率な行動に、批判が殺到した。今週は週刊新潮が、コロナ禍の中、席と席との間にアクリル板もない3密状態の高級寿司屋のカウンターで、マスクの着用を徹底せず、女性とシャンパンを飲みながら濃厚な会食をしていたと報じている。

   新潮はこの時の会食の様子を"密写"しているのだが、実は、だいぶ前の昨年8月25日(2020年)のことなのだ。当時も感染拡大が止まらず、中川会長は「不要不急の外出は避けてくれ」といっていたのではあるが。推測するに、昨年6月に会長選挙があって、接戦を制した中川会長には、医師会の総合政策研究機構に10年以上前から仲のいい独身女性がいるという噂があり、それを掴んだ新潮が張り込んでいたのではないか。中川会長は札幌に妻子を残して単身赴任だった。

   中川もさる者、その時は危険を察知したのか、タクシーで彼女を送り届けただけだったそうである。新潮が中川会長を直撃すると、「ちょっと記憶にないな」とはぐらかしたが、女性のほうは寿司屋へ一緒に行ったことは認めた上で、「私はやましいことはまったくないですから」と男女の仲は否定した。

   寿司屋での密会以降、2人の仲がどうなったのか、"スッポン"の新潮にしては珍しくフォローしていない。気になるところではあるが、新潮のいいたいことはそこではない。医師会というのは、基本的に開業医の集まりで、コロナ指定病院で重症患者と最前線で体を張って戦っている医師の中に、医師会会員はほとんどいない。それなのに、中川会長が医療崩壊だと無責任に煽っているのはおかしいといいたいのである。

   本当に中川が医療の代表ならば、やるべきことは医療の逼迫の改善、「医師会は確保病床数という分母の拡大に努力すべきです」(川口浩東京脳神経センター整形外科医、脊椎外科部長)

   「医療崩壊を起こさないように病院の編成替えをするのは、行政も関わる話だけど、医師会の仕事。ところがそれをサボっている」(舛添要一元厚労相)

   中川会長だけではないが、国民に自粛を強い、酒も出してはいけないとアメリカの禁酒法時代のような生活を押し付け、自分たちは暇に飽かして密会やゴルフ三昧。そうではなく、医師会全体でコロナ感染対策に取り組めという、至極真っ当な意見である。

「オービック」野田会長夫婦も多額寄付の病院で『ワクチン闇打ち』米NYだったら罰金100万ドル

   品性下劣といえば、高齢者へのワクチン接種もなかなか進まない中、貴重なワクチンをカネや既得権益でかすめ取ろうとする人間こそ、その最たるものである。愛知県西尾市に住む「スギ薬局」チェーン会長の杉浦広一(70)と妻の昭子(67)が、「早く受けたい」と市に談じ込み、便宜を図らせたことが報じられたが、これは氷山の一角である。

   「勘定奉行」のCMで知られる「オービック」会長の野田順弘(82)と妻のみづき(86)夫妻が、田園調布の邸から車で2時間かけて、千葉県鴨川市の亀田総合病院に来たのは4月20日だったと、週刊文春が報じている。この病院は野田会長の多額の寄付を受けていて、同病院を率いている医療法人理事長の亀田隆明が、ルールにお構いなく、ワクチン接種を優先的にしたというのである。

   この病院の職員数は3500人に及ぶという。当然、医師や看護師たちは猛反発した。すると理事長は接種はなくなったと説明したが、密かに進めていて、今回は裏口の研修棟で、理事長の長男の病院長が接種したという。ワクチンはファイザー製1瓶で、5回分接種できるそうだが、少し余る。これをかき集めて接種する「闇打ち」というやり方だったそうだ。何やら悪事の匂いのするいい方である。

   自治体の首長らへの優先接種は枚挙に暇がない。週刊文春によれば、埼玉県ふじみ野市の高畑博市長(59)は「病院の先生の指示に従い、4月30日に接種した」と話していたが、実は、彼の妻や公用車の運転手にも「医療従事者」だとして接種していたというのだ。茨城県結城市の白井平八郎自民党県議(73)も、高齢者向けの接種を始めてもいないのに、施設従事者の枠でワクチン接種をしていたそうだ。

   私は、国会議員の中にも隠れて優先接種している人間が相当いるのではないかと見ている。アメリカでは昨年12月(2020年)にニューヨークのクオモ州知事が、優先順位を無視した場合、最大100万ドルの罰金を科すと表明した。日本でもワクチン違法接種罪という法律でもつくらないと、収拾がつかなくなるのではないか。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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