ワクチン「打ち手」問題 「対象増やす」だけでは解決しない理由

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   「スッキリ」は新型コロナウイルスワクチンを薬剤師や獣医師も打てるようにして、接種スピードをアップしようとキャンペーンしているのだが、"打ち手"を増やすだけでは接種遅れは解決しないことが番組中に浮き彫りになった。

   司会の加藤浩次は「5月17日(2021年)には医療従事者、高齢者の45万回が1日で接種しているのですが、今後、大規模接種会場を増やしていくとなると、お医者さん、正看護師、歯科医だけで足りると思いますか」と、19日の放送で水野泰孝医師(日本感染症学会指導医)に振った。だから薬剤師や獣医師も打てるようにすべきだという方に話を持っていこうとしたのだが、水野医師は冷静にこう指摘した。

  • ワクチン接種にさまざまな課題が浮き彫りになっている
    ワクチン接種にさまざまな課題が浮き彫りになっている
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「問診が追い付かない可能性があります」

   「歯科医師が接種するのは特例で認められるらしいですが、薬剤師や獣医師が行うためには法律改正が必要になります。そもそも、接種の前には問診をしなければなりませんが、問診は医師しかできません。打つ人を(薬剤師や獣医師などに)ある程度広げることはできても、(接種会場で)問診が追い付かない可能性があります」

   宮崎哲弥(評論家)「問診は医師にやっていただいて、それ以外は歯科医、薬剤師、獣医師が打つという体制を作っておく必要があるわけですよね。さらに、法律改正は、獣医師は厚生労働省ではなく農林水産省の管轄だったり、日本医師会の意向などもあったりして、なかなか動きそうもないという感じですよ」

   河野太郎ワクチン担当相も薬剤師に広げることについて、「まあ、テーブルにはのせようと思っていますがね」と、検討はするが可能性は薄いという口ぶりだ。

   そんなことより、1日100万回接種という菅義偉首相の大ぶろしきに間に合わせるためなのか、ウソの住所や接種券番号でも予約が取れてしまうずさんさが浮き彫りになった。今後、接種を急ぐあまり、打ち間違い事故が頻発なんていう恐れはないのか、「スッキリ」はそうした拙速こそ取り上げるべきだろう。

(カズキ)

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