田村正和さんの「現場」の思い出 谷原章介「若手にも気配りを...」

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   番組冒頭、MCの谷原章介が「驚くニュースが日本中を駆け巡りました。田村正和さんが亡くなっていました」と悲痛な面持ちで伝えた。

   4月3日(2021年)、心不全のため都内の病院で亡くなったという俳優の田村正和さん(77)の訃報は、5月19日の「めざまし8」が伝えた「最新ニュースワードランキング(SNSから抽出)」と「記事アクセスランキング(AI集計)」共に1位に。番組はこれまでのインタビュー映像と「眠狂四郎」や「古畑任三郎」などの名場面を振り返りながら、田村さんを惜しんだ。

  • 田村正和さんの代表作のひとつ、「古畑任三郎」シリーズのDVD「古畑任三郎3rd season1」(ポニーキャニオン)パッケージより
    田村正和さんの代表作のひとつ、「古畑任三郎」シリーズのDVD「古畑任三郎3rd season1」(ポニーキャニオン)パッケージより
  • 田村正和さんの代表作のひとつ、「古畑任三郎」シリーズのDVD「古畑任三郎3rd season1」(ポニーキャニオン)パッケージより

「コメディ調の役もできる役者」としても活躍

   1943年、映画俳優・阪東妻三郎の三男として生まれた田村さん。俳優を目指すことを決めたのは小学生の時だったという。やはり、大スターだった父の影響は大きかったようで、2007年、63歳の時のインタビューでは「親父がもしこの時代でまだ俳優をやっていたら、きっとこういう俳優であり続けるだろうということをいつも頭に入れている。それがきっと僕の支えであり、俳優としてのスタイルになっている」と話している。

   テレビドラマ界の第一線を走り続けた田村さんだが、その俳優人生は始めから順風満帆というわけではなかった。同じインタビューでは「僕は映画で失敗したんです。親父の七光りがすごくて基礎も何もできていない男に主演映画を4~5本用意してくれたんですが、何もできないから、ことごとく失敗したんです。それから映画はダメかなと。そのころからテレビを始めて、テレビの世界で育ててもらったという気持ちもありまして、自分はテレビ俳優だな、と」と語っている。

   田村さんの俳優人生の大きな転機となったのが1994年から放送が始まった「古畑任三郎」シリーズ。「ニヒルな役しかできない役者」から「コメディ調の役もできる役者」として幅を広げた。73歳の時のインタビューでは、同作について「新しい自分を引き出してくれた」と話している。

引退について度々口にしてきた

   一方で、引き際についてはずっと意識していたようだ。「ぼちぼち閉店ですよ」(2007年)、「あっさりじゃなくて。カットアウトじゃなくて、フェードアウトって感じですね」(2010年)などと、引退について度々口にしてきた。

   最後の出演作品となった2018年の「眠狂四郎The Final」の放送後には、写真週刊誌の取材に対し、「自分としては、もう十分やったなと。(中略)完成前の試写を見て『これじゃダメだな』と痛感したんだ。オンエアを見る気にさえならなかった」と、事実上の引退宣言をした。

   02年放送の「おとうさん」で共演経験のある谷原は「現場ではいつも物静かで、声を荒げることもなく、僕みたいな若手にも気配りしてくださる優しい方で...。それ以来お会いしたことはないんですけれども、いつでも田村正和という方が役者として、先輩として、この世にいてくれるという心強さがあった。いなくなるなんて想像もしていなかった」とショックを隠せない様子だった。

(ピノコ)

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