東京五輪開催について、楽天の三木谷浩史会長兼社社長が米CNNのインタビューに「私は東京五輪の今年開催に反対です。世界中から人が来る。正直言って自殺行為だと思う。新国立競技場はワクチン接種会場にするべきだ」と話した。17日(2021年5月)の「モーニングショー」が取り上げた。
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長も米CNBCに「日本だけでなく多くの国々が五輪が開催されることを大変懸念しており、選手を派遣してくれるかわからない」と話している。
「国は変わってないが、周りは...」
しかし、菅義偉首相は14日に「国民の命や健康を守り安全安心の大会を実現することは可能」として、大会関係者は国民と接しないし、違反したら強制退去も検討しているとした。だが、GPSによる大会関係者の位置情報の常時把握は見送る方針だ。
新国立競技場周辺の飲食店では不安の声を隠せず、「ワクチンパスポートのようなものを提示して、持っていなければ拒否できるルールを作ってほしい」と話していた。
白鴎大学の岡田晴恵教授は、
「世界ではワクチン接種が進んでいる国もあるが、ワクチンを打てば打つほど変異ウイルスができやすくなる。今後のパンデミックは変異ウイルスとの闘いになる。感染症対策では入国を抑えることが重要。何万人もの人が来るのをどれだけ抑えるかが大事」
とコメント。
最新のANNの世論調査では、菅内閣の支持率は35.6%で不支持率は45.9%。政権発足以来最高の不支持率となった。また日本のワクチン接種の進み具合については「うまくいってない」が85%にのぼり、五輪開催については「7月開催でよい」が15%に対し、「さらに延期がよい」が33%、「中止がよい」が49%と、7月開催に反対する意見は82%にのぼった。
ニューヨーク州弁護士の山口真由は「ポイントは楽天・三木谷社長もソフトバンクグループ・孫正義会長兼社長のインタビューも、米国のテレビ局に対しての発言だということ。日本政府批判というより、IOCに対しての声だろう。オリンピック開催に向かって進むしかない政府に対し、国際世論を作っていく動きが経済界にあるのでは」と指摘。
コメンテーターの玉川徹(テレビ朝日)は「国は変わってないが、周りは変わってきている」とコメントした。