「また新たな心配が出てきました。国内で市中感染拡大も見られるインド株ですが、その感染スピードがイギリス株の1.6倍なんです。オリンピックは大丈夫なんでしょうか」と永島優美アナ。MCの谷原章介が「経済界からも中止を求めるこんな声が上がっています。『五輪開催は自殺行為だ』」と続けた。17日(2021年5月)の番組が取り上げたのは、経済界で影響力を持つ2人、楽天の三木谷浩史会長兼社長とソフトバンクグループの孫正義会長兼社長の発言だ。
三木谷氏は14日、CNNのインタビューに対し「(開催は)リスクが大きすぎる。インドやブラジルなど多くの国が依然として苦戦している今はまだ祝典の時季ではない。正直言って自殺行為のようだ」と発言。「日本政府のコロナ対応とワクチン分配に通知表をつけるとしたら?」との質問には「10点中2点」と辛口な評価で懸念を示した。
個別のスポーツイベントとの関係
また、孫氏は米メディアの取材に対し「日本だけでなく多くの国々がオリンピックを開催することを非常に恐れている。重大で厳しい状況にある。アスリートの派遣をどのようにサポートできるのか分からない」などと発言している。
橋下徹(弁護士)「リスクの点だけで言ってしまうと、楽天の傘下にある野球とかサッカーとかの試合の実施はどうなのかとなってしまう。五輪が国民の祝祭だということ、また多額の税金が入るということを考えて『個別のスポーツイベントとは違う』と言うならスッキリしますが。僕は感染対策をきちっとしてやってもらいたいという立場です。ただ、国民感情や税金のことを考えると、政府には論理矛盾や不公平のないメッセージを出してもらいたい」
立岩陽一郎(ジャーナリスト)「衆参の予算委員会で菅総理は同じ発言を繰り返して批判されました。僕だったらあの発言を聞いたら、『これは水面下で中止に向かうためのかなり綿密な議論をしているのではないか』と思ってしまう」
立岩氏の言う、菅総理の発言とは「選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じて、安心のうえ参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていく」というもの。菅総理は10日の衆参予算委員会でこのフレーズを17回繰り返した。