新型コロナウイルスのワクチンは大幅に不足し、接種の予約も取れない中で、町長や市長などが優先接種していたことが次々と明らかになっているが、その開き直りや言い訳があまりにも無神経だと、「スッキリ」は連日この問題を取り上げている。
65歳未満なのに接種を受けていた茨城県城里町の上遠野修町長(42)は、「集団接種会場の設置を指示したのだから、自分も医療従事者だ」と言い、町内で真っ先に接種を受けた兵庫県神河町の山名宗悟町長(62)も「町長は公立病院を管理しているから医療従事者」と強弁した。
町議会議長も「解釈がとにかく甘すぎる」
きょう14日(2021年5月)の放送で、菊地幸夫弁護士は
「町長が問診やってるわけではないですからね。むしろ、町民に直接接触する人たちに『キミ、どうぞ』というのが大人なんじゃないですかね」
と指摘。
町民たちも怒っていて、城里町では「抜け駆けだよ」「余っているならともかくねえ」という声が聞こえてくる。町議会議長も「人道的にも、道義的にも、解釈がとにかく甘すぎる。医療関係者に該当しますか? 違うでしょ。『持病持ってる方を先に』というのが町長の仕事でしょうが」と呆れている。
しかも、上遠野町長はいまだに「私は間違っておりません」と開き直り、山名町長もそうなのだが、メディアに指摘されても否定し続けた。隠そうとしたのは、やはりやましいと思っているからだろう。さすがに、加藤勝信官房長官も会見で、「公平性に反することがあれば誠に遺憾だ」と言及し、大阪府の吉村洋文知事は「首長だから早くというのは違うのではないか。僕が優先して打つことはない」と否定した。
土屋アンナ(タレント)は「必要があって打つんであれば、初めに『打ちますよ』と伝えておけばいいことですよね。それを隠したり、ウソついたりではねえ...」と、特権接種と見られても仕方がないという。コメンテーターは初めてという歌手の井上芳雄は、「立場が強い人が打ちやすいということには、絶対なってほしくないですよ」
しかし、けさ14日の朝日新聞によると、兵庫・三田市の森哲男市長(69)、岐阜・下呂市の山内登市長(63)、大阪・河南町の森田昌吾町長(64)、大阪・千早赤阪村の南本斎村長(66)、埼玉・寄居町の花輪利一郎町長(76)も、一般に先駆けて接種を受けたと伝えている。65歳以上で対象高齢者もいるが、いずれも"キャンセル待ちの最優先"になっているようだ。
佐藤昭裕医師(日本感染症学会専門医)「キャンセル分を他の人に打つは問題ないのですが、どういう順番で打つかのリストやルールをあらかじめ作っておくべきでしょうね。首長が医療従事者なんて、ひどく違和感があります」