スギHDの「釈明」へ「理解に苦しむ」 ワクチン「接種便宜」、市の言い分

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   新型コロナのワクチン接種に予約の電話が殺到しているなか、愛知・西尾市がスギ薬局を展開する「スギホールディングス(HD)」の会長夫妻に優先接種の便宜をはかっていたことが明らになった。

   中日新聞にすっぱ抜かれた西尾市はきのう11日(2021年5月)、急きょ記者会見を開き、「度重なる連絡を受けて現場は圧力と感じていた」などと説明。一方のスギ薬局は「秘書がやった」と釈明のコメントを出した。きょう12日の「モーニングショー」は双方の言い分を検証した。

  • 愛知県西尾市の市役所サイトより
    愛知県西尾市の市役所サイトより
  • 愛知県西尾市の市役所サイトより

「取材」察知し、接種は行われず

   市によると、4月12日、スギHDの創業者で同市在住の杉浦広一会長(70)と妻の昭子相談役(67)について、秘書から「4月19日から始まる高齢者入所施設の枠で受けることができないか」と電話がかかってきた。市側は特別扱いを断ったが、秘書は「あなたじゃ話にならない。上を出して」「会長は早く打ちたいと言っている」などと繰り返し電話で要望。現場で仕事をしているわけではないのに「夫妻は薬剤師なので、医療従事者の枠で受けることはできないか」ともゴリ押ししたという。対応した簗瀬貴央・健康福祉部長は「通常の相談や要請の域をはるかに超えていた。からめ手で来ているなと感じた」と振り返った。

   部長から相談を受けた近藤芳英副市長が高齢者の集団接種の予約を仮押さえしたが、優先接種当日のおととい10日、この顛末の取材を中日新聞が始めたことがわかり、市はすでに会場に向かっていた会長夫妻に連絡し、接種は行われなかった。

   スギHDは店の跡地を健康施設として市に無償で貸し出すなど、いわゆる地元の有力者で、昭子相談役は市の「シティプロモーション特命大使」も務めている。便宜をはかった背景について近藤副市長は「会長夫妻に市は様々な形で支援をいただいている。何らかの形でお返しできないかと考えたが、本当に浅はかだった」と謝罪した。

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