昨日10日(2021年5日)から、高齢者へのワクチン接種が本格化した。政府は高齢者への接種を7月末までに終えたいとしているが、予定どおり終えられる見込みとなっているのは全国1700を超える市町村のうち1000と6割程度。東京都も3分の1の市町村が7月末までの完了は難しいとしている。11日の「スッキリ」が取り上げた。
遅れの原因は人手不足など。感染者が急増している神戸市では人手不足解消に向けて、大規模接種会場で歯科医師が接種を担う方針を発表した。歯科医師は治療の際に筋肉注射や点滴を行う事があるが、ワクチン接種にあたっては研修を受けてから行うという。神戸市はこうした対策を行う事で、これまで220人/日だった接種が今月下旬からは1000人/日となる予定だ。
福島県相馬市は日時を指定・再指定
その一方で、予定より早く進んでいる自治体もある。福島県相馬市は接種対象の高齢者1万1000人のうち、すでに3000人が1回目の接種済み。早ければ6月中に高齢者への接種が終わるという。
相馬市で注目されるのが予約方法。多くの自治体では電話予約を行っているが、予約の殺到でNTTが接続制限を行うなどの事態が起きている。相馬市では接種日時をあらかじめ指定し、予約が合わない場合に再度指定するという方法で担当者の負担を軽減。さらに、接種前の血圧や血中酸素濃度の測定などの検査には市内の看護学生にボランティアを依頼している。看護学生からも「未熟ですが、地域に貢献できるのであれば力になりたい。現場を見てみたい」といった声が出ている。
他の自治体をみると、神奈川県大和市では個別接種、集団接種の他に高齢者が多く住む団地に別働隊を派遣して出張接種を行うといった取り組みを6月8日から始める予定だ。
水野泰孝医師(日本感染症学会)「高齢者の人口、医療機関の数、コロナ患者数も影響があるので、自治体にやりやすいやり方でやっているのが見受けられる。歯科医師、薬剤師、看護学生への協力依頼もあるが、非常勤で仕事をしているフリーランスのドクターを全国から集めるやり方もある」
前田裕二(実業家)「接種の日時指定は効果がある。希望日に打てないというのは我慢できるが、電話がつながらないことは我慢できない」
加藤浩次「自治体の人は『日時を指定して、行けないという人が増えたらどうしよう』ということを気にしているが、そこは次に回せばいいのであまり気にしなくてもよい。予約システムを今のうちに作っておくと、高齢者以外の方にも利用できる」
高橋真麻(フリーアナウンサー)「日時指定は反発があるかもしれないが、優先順位が高いと仕事を休んでも行く。過去を振り返ると、就職活動や子供の学校の面接は日時指定だった。ワクチンの優先順位が高い人は、日時指定されても絶対に行く」
(みっちゃん)