NNN・読売新聞が7?9日(2021年5月)に行った世論調査では、東京五輪を中止すべきという意見が59%にのぼったが、反対派の人たちが納得できる開催はあるのか。「スッキリ」では問題をフラットに考えようと、五輪開催の必要条件について昨日10日、街頭インタビューを行った。
街の声は「とりあえずワクチン」「東京新規感染者が1日100名以下」など。賛成の人からも「選手もワクチン接種できていない状態で、現実的ではない」といった声が。
「飲食、エンタメ業界を考えると...」
インタビュー98人中70人が開催に反対だったが、このうち27人はワクチンが普及すれば開催可、10人が感染状況がステージ2以下になれば開催可という意見で、他にも「コロナ収束」「無観客」「徹底した水際対策」「医療体制ひっ迫の解消」などの意見も出た。
ネット上で五輪開催中止を求める署名活動を行っている宇都宮健児氏も「(東京の新規感染者確認数が1日)100人くらいが必須条件ではないか。営業等についても自由な活動が見込まれる状況でないと歓迎できる五輪にならない」と語る。
司会の加藤浩次「現在の状況を不安視している声が多い」
水野泰孝医師(日本感染症学会)「ワクチンが普及しても、効果がでるまで時間がかかる。オリンピックを考えると極めて難しい」
高橋真麻(フリーアナウンサー)「休業要請を受けている飲食、エンタメ業界を考えると、やろうという気持ちになれない」
経済損失額の試算
五輪に関する経済損失は、簡素化で1兆3898億円、無観客で2兆4133億円、中止で4兆5151億円という試算も出ている。
前田裕二(実業家)「ミクロで見た場合、インバウンドやスポンサー企業への影響は大きいが、国全体のマクロでみるとGDPの1%。この数字のために人命を犠牲にするのか」
二宮清純(スポーツジャーナリスト)「どんどん時間がなくなっていくが、政府、組織委員会から情報がでてこない。開催都市契約では、予測できない不当な困難が生じた場合は変更要求を出せる。『今、こういう要求を出している』ことまでは可視化してもらいたい。違約金は条項はない。IOCに払いこみ済みのスポンサー料の賠償請求は考えられるが、これをやるとスポンサーイメージも傷つくし、今後、立候補都市がなくなる。こうしたことを私ではなく、組織委員会が説明すべき」
ロバート・キャンベル(日本文学研究者)「(医療体制は)各競技場に救急車を常駐、複数の指定病院に部屋を予約して、専用の医療スタッフを準備しなければいけない」
二宮清純「例えば『無観客だったら医療スタッフはこれくらい減る』とか、オールオアナッシングではなく、AプランBプランCプランを考え、議論すべき。IDカードを持っている人は医療を保証しなければいけないが、人数が決まらないことにはシミュレーションもできない。日本はお上や外圧に弱いが、コロナが落ち着いた国に対して医療団同行を求めるなど、交渉するべきことは交渉、主張すべきことは主張する。レガシーを残すとするとこうした交渉の過程を後世に伝えること。最悪は中止だという人がいるが、最悪は感染症対策に失敗すること」
(みっちゃん)