「結論ありきで議論にならず」 新型コロナの政府分科会

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   政府は7日(2021年5月)、「緊急事態宣言」について、東京・大阪・兵庫・京都の4府県については「11日まで」を「31日まで」に延長、さらに対象地域に愛知県と福岡県を追加する、と決めた。

   ただ、この「決定」までには分科会で3時間の激論があり、「対象区域」と「解除基準」について、分科会から異論が出た。10日の「モーニングショー」が取り上げた。

  • 「緊急事態宣言」めぐり激論も(写真はイメージ)。
    「緊急事態宣言」めぐり激論も(写真はイメージ)。
  • 「緊急事態宣言」めぐり激論も(写真はイメージ)。

北海道の情勢めぐる議論

   尾身茂会長は記者会見で、「分科会メンバーの多くが、ある県について緊急事態宣言に加えるべきだと申した」と明らかにした。議事録には北海道と明記されたが、これについて、西村康稔・経済再生担当相は、「札幌市に感染の8割が集中。北海道全体に広がっている状況ではない」と、宣言対象に加えなかった理由を説明した。北海道の新規感染者数は、8日に403人(うち札幌市が277人)、過去最高となった9日は506人(札幌市327人)だった。

   これについて、分科会に出席していた谷口清州・国立病院機構三重病院長は

「政府は、札幌が中心だからまん延防止措置をやっている、という話だった。ただ昨年も札幌から広がっている。結論ありきで、議論にならないという感じがしている」

と指摘。

   日本医科大の北村義浩・特任教授は、「緊急事態宣言を出した方がよかったと思う。去年の夏の第2波の時、圧倒的に東京問題と言っていたものが、1カ月もしないうちに全国に広がった。札幌市を抑えてもその周辺に人が出ていくというのは大阪市でも経験済みのこと。早め早めに抑えた方がいい」。

   コメンテーターの玉川徹(テレビ朝日)「分科会の議論が政府に届かなくなっている。政府は何を根拠にやっているのか、というのがさらに見えなくなってきた」。

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