白血病を克服して東京五輪代表に内定した競泳の池江璃花子選手に対して、代表辞退や五輪開催反対を求めるコメントが直接寄せられている。7日(2021年5月)、池江選手はSNSで「中止を求める声が多いことは仕方なく、当然」と発言すると同時に「私に反対の声を求めても、私は何も変えることができません」「選手個人に当てるのはとても苦しいです」と心境を語った。10日の「スッキリ」が取り上げた。
昨日9日には国立競技場で五輪本番の予行演習となる陸上テスト大会も開催されたが、競技場の外では五輪開催中止を求めて50人がデモを行い、「オリンピック今すぐやめろ」「聖火リレーも今すぐやめろ」と声をあげた。こうした反対の声をアスリートたちはどのように受け止めているのか。
複雑な心境語る選手ら
新体操代表の杉本早裕吏主将は「そこを気にしていても仕方がない」、竹中七海選手は「反対の意見があるのは当然。だからこそ私たちの演技で見ている方を元気にしたい」と、自分たちのやるべきことをやっていくだけとコメントした。
五輪選手にワクチンを優先して提供するという案も出ているが、これに対して男子100メートルの桐生祥秀選手が「医療従事者、高齢者の方が優先だと思うんですけど、どういう発言をすればいいか迷っている」、女子100メートル障害の寺田明日香選手が「国民に負担を強いる。打つ必要があるのかなと考えております」など、複雑な心境を語る。
司会の加藤浩次は、
「ワクチン接種問題で選手にインタビューするのは酷だと思う」
と指摘。
加藤浩次「池江選手を利用するのは卑劣だと思う」
松田丈志(元競泳日本代表)「五輪開催が社会の中でどういう意義があるのか、現役選手も考えることは必要だと思う。(池江選手は)素晴らしいコメントを出してくれた。池江選手は奇跡的な回復をして今回のオリンピックを印象付ける一人だが、その影響力を使って自分たちの意見を拡大するのは良くない。一方で、やりたいと思っている人も池江選手の影響力を使うのはよくない」
加藤浩次「(反対は)IOCや組織委員会に訴えるもので、池江選手を利用するのは卑劣だと思う」
松田丈志「選手も絶対やってくれと言っていない」
NNNと読売新聞がこの週末に行った世論調査では、五輪中止が59%、無観客23%、観客数制限16%となっている。
下川美奈(報道記者)「なんとかやってくれるといいが、納得できるよう説明が大事」
水野泰孝(日本感染症学会)「ワクチンは2回目打った後体調が悪くなる方もいるので、練習がそこで中断する。接種するなら6月頭には一斉に始めなければいけない」
榊原郁恵(タレント)「国民の不安、不満を選手にぶつけるのは気の毒。『やるなら無観客』など決めて、逆算してどういう準備をしたらいいのか考える時期。それがないから不満が爆発する」
加藤浩次「みんなが我慢している中でテスト大会をやるなど、矛盾がある」
松田丈志「『ここまでにこの状況にならなければ中止』というメッセージを出してもいい」