指導医は叱責
雨野はこの日、胃がんで入院している87歳の将棋好きの患者・森山(品川徹)から聞き取りを行い、病状を含めた情報収集する業務(=アナムネ)を任された。雨野は懸命にコミュニケーションをとろうとするが、森山は認知症が進行していて会話もままならない。そこで、看護師の吉川文枝(西尾まり)が事前にヘルパーさんに聞いていた情報をもとに、今後の治療方針を決めるカンファレンスが行われることになった。
雨野は「助かる余地があるなら、手術を行った方がいいと考えます」と提案するが、雨野らの指導医・佐藤玲(木南晴夏)は「まだ闘い続けろって言うの? あんたの方がエゴじゃないの?」と叱責。結局、森山の年齢や認知症などの状況を考慮して手術は行わず、痛みの緩和や生活の質(QOL)を高めたりするベスト・サポーティブ・ケア(BSC)でいく方針が決まった。
そんな中、森山は夜中にベッドに立ち上がって転倒し、さらなる事故を予防するためにベッドに拘束されてしまう。森山がしばしば天井を指差しながら起き上がろうとしていたことを思い出した雨野は「あの謎の行動は何だったんだろうな?」と考える。森山はその行動で、あることを伝えようとしていたのだった。