競泳女子で白血病を乗り越えて、東京五輪代表に内定した池江璃花子さん(20)が5月7日(20201年)、自身のツイッターを更新。自身のSNSに、コロナ禍で五輪開催に反対する人々から「辞退してほしい」「反対の声をあげてほしい」というメッセージが届いていることを明かしました。翌8日のテレビやラジオではこの問題を取り上げ、多くの著名人が「匿名でのメッセージ」を批判、池江さんにエールを贈りました。
徳光和夫「反対するなら丸川大臣、橋本会長、小池さんに言え」
池江璃花子さんの自身のツイッターへの投稿は以下の通りです。
「(略)私たちアスリートはオリンピックに出るため、ずっと頑張ってきました。ですが、今このコロナ禍でオリンピックの中止を求める声が多いことは仕方なく、当然のことだと思っています。私も、他の選手もきっとオリンピックがあってもなくても、決まったことは受け入れ、やるならもちろん全力で、ないなら次に向けて、頑張るだけだと思っています」
「(略)私に反対の声を求めても、私はなにも変えることができません。ただ、今やるべき事を全うし、応援していただいている方達の期待に応えたい一心で日々の練習をしています。(略)この暗い世の中をいち早く変えたい、そんな気持ちは皆さんと同じように強く持っています。ですが、それを選手個人に当てるのはとても苦しいです。(略)わたしに限らず、頑張っている選手をどんな状況になっても暖かく見守ってほしいなと思います」
フリーアナウンサーの徳光和夫さん(80)は、パーソナリティーを務めるニッポン放送「徳光和夫とくモリ!歌謡サタデー」に生出演、「匿名は卑怯だ」と猛烈に怒りました。
「池江さんが東京オリンピックに参加することは、我々はもろ手をあげて応援したいわけです。そのご本人に対して開催反対の声をあげてほしいっていうのは、まったく筋違いだし、おかしいなと思います。SNSっていうヤツの怖さだね、これは。実名を書いて抗議しなさいよ。自分の名前を出して。しっかり抗議するんだったら」
そして、こう結びました。
「むしろ反対の姿勢をちゃんと示すなら、オリンピック担当大臣とか組織委員会会長の橋本さんとか、小池東京都知事とか、そういった人に対して送るべきだし、けしからん話です」
石原良純「自分の名前で思いを出す池江さんはスゴイ」
「TOKIO」の城島茂さん(50)はMCを務めるテレビ朝日系「週刊ニュースリーダー」(土曜・午前6時)に生出演。城島さんは、こう疑問を投げかけました。
「いろんな声がオリンピックに関して上がっています。不満とか皆さんが言いたいことがあるのでしょうが、それをアスリートの方にぶつけてしまうのは、ちょっとどうなのかなっていう気がしました。アスリートの方々もどうしたらいいのか、という不安の中でベストを尽くそうとしているわけですから。オリンピックに向けて。そこで戦っていることもあるのですから」
同番組では、俳優の石原良純さん(59)もコメンテーターとして出演。やはり、「匿名での批判はやってはいけない」と批判しました。
「ツイッターのリプライというところでやるのではなくて、そういう思いは自分の声の上げ方ってあると思うんです。そこに持っていってしまうのは、匿名でやっちゃいけないんです」
と厳しく指摘しました。そして、池江さんのメッセージをこう高く評価したのです。
「池江さんのすごいところは、ここで、自分で受け止めて、こうやって思いを述べるっていう...。この勇気って、ものすごいことだと思います。匿名ではなくて、自分の思いをこうやって自分の名前で出すってすごいことだと思います」
と「ものすごい」と繰り返していました。
和田アキ子「池江さんの言ってることも分かるけど...」
一方、歌手の和田アキ子さん(71)は、パーソナリティーを務めるニッポン放送「ゴッドアフタヌーン アッコのいいかげんに1000回」に生出演。池江さんの問題に触れながら、むしろ東京五輪を強行しようとしている組織委員会や政府に批判の矛先を向けました。
「丸川(珠代五輪相)さんも言うけど、『安心安全な五輪を目指して』って、うちら全然安心してないよね。ワクチンもまだ。私がよ。和田アキ子の高齢者が、ワクチンがいつかも分からへんし、申し込み用紙も来ないし。そんなときにオリンピック選手にワクチン打つことをバッハ(IOC会長)さんが決めたって言うけど、うちらが打ってないのに選手だけ?って...」
とアスリートファーストに疑問を投げかけました。そして、池江さんに関連してこう語ったのです。
「池江さんの言ってることも分かりますけど。誰も(東京五輪を)やらないと言わないもんね。国民がこんなに望んでないオリンピック・パラリンピックってあるんだろうか。そりゃ、始まったら見ちゃうよ。うちらには密を避けてって言うのに、国がやる大きなイベントはいいのかね。みんなまとめて選手も来るし。ほんまに何とかしてほしいねんけど」
と訴えたのでした。