東京や大阪など4都府県に出されている新型コロナの緊急事態宣言について、政府はきのう6日(2021年5月)、今月末まで延長し、さらに愛知と福岡を追加する方針を決めた。菅義偉首相は官邸で報道陣に対応したのだが、きょう7日の「モーニングショー」が映像で伝えたのは、2週間という緊急事態宣言の設定が短すぎたのではないかと問われた際の、次のような場面だった。
「減少した」からどうなった?
菅首相「ゴールデンウィーク中、人出、人の流れは減少したと考えています」
記者「減少幅は小さい。この減り幅で十分だとお考えでしょうか」
菅首相「減少は事実だと思いますよ」
記者「それが十分なのかということをお聞きしています」
菅首相「ですから人の流れは減少している、このように思っています」
通常の記者会見では更問が禁じられているため、ぶら下がりならではのちぐはぐなやりとりが露呈した格好だ。バイオリニストの廣津留すみれは「短すぎたのではという質問に対して、『減少しました』の一点張りというのはどうでしょうか。減少したからどうなった、良かった、悪かった、という結果を示してくれないと、私たちにはゴールが見えない」と指摘していた。
長崎大医学部の森内浩幸教授「政府の方で最初にゴールを示さないと、いつ終われるのかがわからない。(東京の)感染者が二けたになるまで下げないと、すぐにリバウンドするし、変異株解析も十分にできません。今回はこの数字をしっかり目標として掲げてもらいたい」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「期間より数値目標というのは合理的。ただ、減らす力、対策をもっと強くしないと、今の緊急事態宣言を続けるだけで(東京の感染者数が)100人以下になるのだろうかという疑問もあります」
東京ではこの連休中、発熱相談センターへの相談件数が5日連続で2200件を超えるなど急増している。これは昨20年末から年明けにかけての動きと酷似しており、今年1月3日に相談件数が3180件にのぼった4日後には、新規感染者数が2520人に跳ね上がった。「(東京の感染者数について)このあとびっくりするような数字が出てくるかもしれませんが、受け止めるしかないでしょうね」と玉川。こんな状況で、イベント開催などの条件を一部緩和して宣言を延長して、効果があるのだろうか。