これは面白い。脚本家の金子茂樹は「俺の話は長い」で第38回向田邦子賞を受賞し、ノリに乗っている。その脚本を演じる俳優陣のメインどころが菅田将暉、神木隆之介、仲野太賀の3人で、これがまた素晴らしい。ドラマの中でも3人は高校の同級生という設定だが、リアルでも彼らは93年生まれの同い年。春斗(菅田)、瞬太(神木)、潤平(仲野)3人の相性がぴったりで、売れないお笑いトリオ「マクベス」を10年間やってきた仲間から醸し出される空気がちゃんと出来上がっていて、さすがだ。
この3人に絡むのが、彼らがネタの打ち合わせをするファミレスでアルバイトする中浜さん(有村架純)、その妹・つむぎ(古川琴音)の2人で、この中浜姉妹も最高のキャスティングで、とてもいい。
今後のサプライズゲストも楽しみ
キャスティングといえば、当初、発表されていなかった出演者が途中で出て来て、その豪華さにもビックリだ。たとえば、2話から登場の「マクベス」マネージャー役で中村倫也が出てきたり、仲野太賀の彼女役で芳根京子が出てきたりと、突然、画面に出て来て驚くほど。
第3話では、春斗の兄で、優秀で親の期待を一身に受けて育ったが、宗教にハマり、職も家族も失い引きこもりの役で毎熊克哉が出演し、またまた驚いた。毎熊は、NHK「少年寅次郎」で寅次郎の父親を演じて注目され、TBS「恋はつづくよどこまでも」、テレ朝「妖怪シェアハウス」で存在感を見せた俳優だ。その毎熊が突然、菅田の兄として登場、さらに予告では、瞬太の母役で西田尚美出演。今後も、サプライズゲストが楽しみになりつつある。
ドラマのオープニングでコントを見せ、そのコントが伏線となり、最後に回収していく感じがもうたまらない。第3話では引きこもりの兄に電話をかけてやれ、と瞬太が春斗に語る台詞が良かった。どうせ出ないと諦め気味の春斗に、「ノックをし続けることが大事。着信履歴は心配してるよのメッセージ」と促すところ。実際、この後、春斗からの着信音をきっかけに、兄は引きこもりからようやく脱することが出来た。終盤、兄弟2人が電話で語り合うシーンに思わず、貰い泣き。中浜さんの話も絡めて、心を掴まれる神回になった。
「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ」とは喜劇王・チャップリンの言葉。泣けて笑える青春群像劇が面白い。(土曜よる10時~)