ぺいが飴を頬張るのは、猫の毛布フミフミと同じだ
「『ほるもん』とつぶやきながら、死んだ目をして人を殴る青山は圧巻。泥水をすすり、飴をなめてまがい物のひとときを繋ぎながら生きている青山。考えることをやめ、幸せを望んではいけないと言い聞かせているように見えた。ある漫画を思い出した。人を撃てなくなった殺し屋が語る理由。「標的を照準器で見た。奴はコーヒーを飲もうとした。砂糖を1杯、2杯と入れ、3杯入れた途端、俺の口の中に甘さが広がった。それ以来俺は人が撃てなくなった」。次回は青山自身が珈琲に見出してもらい、人間を取り戻す物語。人生を変えられる出会い...」
磯村勇斗の圧巻の演技に震えた人も多かった。
「飴の意味がわかった。家が貧乏で父親から暴力振るわれ、小学生にして人生に絶望するぺい。同じド底辺人生を歩んできた青山に親近感を募らせ、兄貴と慕っていた。なのに、珈琲に魅せられて自分の手の届かない所に行った青山。憤るぺい。でも根底にあるのは置いてきぼり食らった寂しさ。ぺいがいつも飴を頬張っるのは『いっとき寂しさが紛れる』と青山に教わったから。そんなぺいが愛おしい。青山だけでなく彼もまた幸せになれますように」
「底辺のチンピラを見事に演じながら、大河では育ちの良い優しい若将軍に違和感なし。磯村勇斗くん凄いです。ペイが頻繁に飴をなめるのは、青山を好きな気持ちを捨てていなかったからだね。猫が大人になっても毛布とかをフミフミするのに似ていると思った」
「磯村さんの演技、本当に引き込まれた。愛憎相半ばするところで青山を思う複雑な表現。不器用な愛し方と、愛されたいと願う想いが伝わらないもどかしさ。底辺から抜け出せない、悲哀とあきらめをまとった姿。垣根のモテない、いい子ちゃんキャラをディスる時の高速長台詞のうまさ。素朴な顔付きなのにブラックな役が本当にハマる役者さんですね」