「12歳の時、最年少記録を塗り替え彗星のごとく現れたスーパー中学生。玉井陸斗選手、14歳です。飛び込みのワールドカップで見事、東京オリンピックへの切符をつかみ取りました」とMCの谷原章介が伝えた。
玉井選手は男子10メートル高飛び込みの選手。6歳のころから飛び込みを始め、12歳の時に鮮烈なデビューを果たし、史上最年少で日本選手権を制するなど、期待の新星として注目を浴びてきた。
「脚に感覚を感じないくらい緊張していた」
期待されていた2020年のFINA飛込W杯は、コロナの影響で延期になり、きのう3日(2021年5月)に開催された。ようやく大一番を迎えることになったが、玉井選手を待ち構えていたのは、初めての国際大会という重圧だった。
6本の演技の総得点で競うこの種目では、上位18位以内に入り準決勝に進めば、五輪代表の座をつかめる。玉井選手は1本目で高得点をマークしたものの、2~4本目では大きなミスが続き19位となり、代表内定圏外に転落。
崖っぷちの6本目。演技を見事に決め、15位に浮上。劇的な流れで五輪への切符をつかみ取った。その後準決勝で9位となり、きょう4日に決勝が行われる。
そんな玉井選手、試合後の会見で見せたのは満面の笑みというより安堵の表情。「脚に感覚を感じないくらい緊張していた」と話した。
情報キャスターの西岡孝洋アナ「もともと玉井選手が注目されたのは、もし東京五輪が延期されずに行われていたら、13歳での出場だったということ。これは日本人男子の最年少記録だったんです。最年少記録はなくなりましたが、その代わり、身体付きが全く変わりました。12歳の時に比べ、身長は12センチ伸び、体重も14キロ増えたんです」
ロンドン五輪の女子高飛込み日本代表だった中川真依さんは「筋肉量が増えたことでジャンプ力がアップし、ダイナミックな演技が可能になった」と解説している。
西岡アナ「大技もあるので、それを決めれば14歳でメダルという夢も見えてきます」
谷原「期待しちゃう。なんとか良い形でオリンピック開催できるよう、僕たちも頑張りましょう」
この種目の日本人最高順位は、シドニー大会の寺内健選手の5位入賞。「歴史に挑む14歳」を応援したい。
(ピノコ)