統計が残る1970年以降、半世紀にわたってお茶の産出額日本一だった「お茶処」静岡県が、はじめて首位を奪われた。新たに「お茶王国」となったのは、鹿児島県。「お茶をめぐるアツアツの戦い、逆転の理由に迫ります」ときょう30日(2021年4月)の「モーニングショー」で野上慎平アナウンサーが伝えた。
農水省が3月に発表した統計によると、2019年のお茶の産出額1位が鹿児島県で252億円、静岡県は2位で251億円だった。全国の合計は822億円なので、この2県で6割を占めている計算だ。
進む機械化
何が背景にあったのか。鹿児島県内では「茶畑戦隊・茶レンジャー」と呼ばれる収穫機械の導入が進んでおり、今や機械化98%。収穫が安定し、担い手不足をカバーできたことが大きな要因だという。一方静岡は、茶畑が斜面に多くあるため、機械化は66%にとどまっている。
「さらに、お茶を急須ではなくペットボトルで飲む人が増えたことが背景にあります」と野上アナ。鹿児島県は温暖な気候を生かして年に最大5回収穫し、ペットボトル飲料に注力しているが、静岡県は年に最大3回収穫で、急須でいれるお茶が主流のため、国内消費の伸び悩みが響いた。
鹿児島県農産園芸課の松下加奈恵さんは番組の取材に対し、「日本一を目指して頑張ってきた。お茶といえば鹿児島と言われるよう、認知度向上を含め頑張っていきたい」と喜んでいた。一方、静岡・牧之原市の杉本喜久雄市長は「非常に残念ですし、ゆゆしき事態」と厳しい表情。静岡県では今後、「手間をかけた静岡茶の品質の高さをアピールしたい」という。
「今、静岡と鹿児島の話しているのに...」
MCの羽鳥慎一「お茶といえば静岡のイメージ。申し訳ありませんが、鹿児島のイメージはありませんでした」
食べられるバラを自社栽培・販売している「ROSE LABO」の田中綾華代表「担い手不足は農業界全体の課題ですが、鹿児島県は若手の後継者も多く、勢いがあるイメージです」
テレビ朝日コメンテーターの玉川徹は「僕はお茶の旨さを個人的に追求していて、急須ではなく氷出しで飲んでいます。氷出しには玉露が一番おいしい。いろいろ試してみたけど、京都の宇治のお茶が一番うまいんだよね。量や金額じゃなくて、どこのお茶が一番旨味成分が強いかを追究してほしい」と脱線し、羽鳥が「今、静岡と鹿児島の話しているのに」と突っ込んでいた。
(キャンディ)