変異ウイルスへのワクチンの効果は?
WHO(世界保健機関)は特に3種類の変異ウイルスに警戒感を示しているという。それは英国型、ブラジル型、南アフリカ型だが、二木教授はさらに3種の変異ウイルスに警戒が必要と指摘する。それはフィリピン型、カリフォルニア型、インド型だ。
「フィリピン型は2つの変異を持っていて危険性が高いと国立感染症研究所も評価している。カリフォルニア型は沖縄で1例見つかっています。そしてインド型は免疫を回避すると言われている不気味な存在です」(二木教授)
ではいったい、変異したウイルスにワクチンは効果があるのか?
米製薬大手ファイザーでは「30種以上の変異株を調べたがほぼすべてでワクチンは効果がある。インド型も前に調査した変異がありそれに対する効果がある」という。二木教授も「新たな変異に合わせてワクチンを改良するのはそれほど時間がかからない。ただし、世界の20億人分を作るのは大変なこと。将来を見据えると国産ワクチン開発が重要」と言う。
現在の日本国内のワクチン開発状況はアンジェスがフェーズ2/3で一歩リード。塩野義製薬、第一三共、KMバイオロジクスが後を追っている
果たして収束できるのか? 米エミリー大学などでは、最終的に風邪のような症状になり、1~10年程度で死亡率0.1%になると予測。一方、米国国立生物工学情報センターでは1889年から流行したロシア風邪はコロナウイルスの1つだったのではないかという見方を示しており、収束まで4~5年かかると予測している。
谷原は「いかにしてコントロールする状態をつくるかということですね」と話した。
(バルバス)