いまだ先行き不透明な東京五輪・パラリンピックをめぐり、さらなる不安要素が露呈した。丸川珠代五輪相がきのう27日(2021年4月)の会見で、大会中の医療体制をめぐって東京都への不満をぶちまけた。きょう28日の「モーニングショー」では、おどろおどろしいBGMが流れる中、2人の映像の間に稲妻が走り、「対立」という文字が浮かび上がる演出で、この話題を伝えた。
閣議後会見で東京批判
大会期間中の医療体制をめぐっては、組織委員会が日本看護協会に看護師500人の派遣を要請しているが、きのう27日の閣議後会見でこのことを問われた丸川氏は突然、堰を切ったように東京都への批判を開始した。「厳しいコロナ禍でどのように取り組んでいくのか、東京都から具体的なことをお示しいただいてない」「感染症の専門家に相談しているかどうかも明確ではない」「大会主催者としての責任、医療の現場を預かる者としての責任をどう果たすのか、明確な発信がないと私たちもどのようにお教え申し上げればよいのか、非常に戸惑っている」「投げかけをしているが、明確な声は何も届いていない」などと話し続けた。
この会見直後、記者から問われた小池知事はピリピリした雰囲気で「確認します」とだけ言い残して足早に立ち去った。午後の記者会見では「すでに実務的には詰めている。都の役割の部分と、そこは組織委員会で決めているので、それらについてよく聞いていただきたいと思います」とやんわり返した。
丸川氏の発言について、都庁内からは反発の声が上がっている。「国とは日常的にやりとりをしており、都としても必要な情報や考えは出している」「『責任、責任』ってどこかに押し付けようとして、オリパラ大臣としての自覚はどうなのか」といった都庁幹部や担当者の声をMCの羽鳥慎一が紹介した。
羽鳥慎一「逆効果という気がします」
政治ジャーナリストの田﨑史郎氏は
「丸川さんがいきなりけんかを売ったようですが、そうではない。丸川さんは就任後に小池さんにあいさつに行き、『入国の水際対策は国、医療は都でやりましょう』と仕分けができていたが、東京都からその後の話が来ない。本来なら丸川さんが電話して『どうなっているんでしょうか』と言えば済む話だが、非公式では話が進まないので、記者会見で発言して公開質問状を出したということです」
と"丸川氏擁護"の解説。これに対して、元AERA編集長の浜田敬子は
「世論調査を見ると、オリンピックに対して否定的な見方をしている人が多い。看護師500人の要請についても、『医療が逼迫しているこのタイミングで言うのか』というのが率直な感想。都の幹部の反応の方が、私たちの感覚に近い」
とチクリ。テレビ朝日コメンテーターの玉川徹も
「こういう楽屋裏の話をわざわざ会見で言う意図は何なのか。自分たちが都と一体となって協力できていないことを国民に明らかにする意味は何なのか。丸川さんは記者の質問にはちゃんと答えないのに、自分の言いたいことは楽屋裏の話でもしゃべっちゃう。こんなことやっていたら国民に疑念を持たれるだけです」
と猛反発していた。
羽鳥「確かにこのやりとりを見ちゃうと、逆効果という気がします」
(キャンディ)