菊間千乃「五輪が悪者に」と懸念 組織委「看護師500人要請」の余波

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   東京五輪の組織委員会が日本看護協会に対し、約500人の看護師派遣を要請していることが明らかになった。募集条件として、参加日数は原則5日以上、1シフトあたり9時間活動、としている。

   武藤敏郎・事務総長は26日(2021年4月)、「コロナで医療体制が逼迫しているのは承知しているが、オリパラをやるにはコロナとは関係なく医療体制を考えなくてはいけない」と述べた。

  • 「見えない災害」にどう対処するか。
    「見えない災害」にどう対処するか。
  • 「見えない災害」にどう対処するか。

「さらに医療逼迫につながる」

   27日のモーニングショーは現場の声を紹介。香川県の20代看護師は、「さらに人手不足になり、今の医療を維持するのは難しい」。神奈川県の30代看護師は、「ワクチン接種要員として休みを返上しているような状況下で、500人も駆り出されたら、疲労で倒れたり離職したりで、さらに医療逼迫につながる」。

   大阪府病院協会の佐々木洋会長「いま大阪でこういう話をしたら、袋叩きに合うでしょうね。空気を読めない発言だ。7月には感染がかなりおさまっているかもしれないが」。長崎大学大学院の森内浩幸教授は、「長崎でも、看護師さん一人の派遣でさえ、人材確保のためにあちこち駆けずり回らなければならない」。

玉川徹「コロナは『見えない災害』だ」

   コメンテーターの玉川徹(テレビ朝日)は、

「五輪期間中だけじゃない。準備や研修も必要。医師も300人必要と聞く。7月アタマや6月末は、まだワクチンを打たなければ」

と指摘。菊間千乃・弁護士も

「このご時世で五輪の話をすること自体が、政府への批判が膨らむ元凶になる。五輪が悪者になっていくのは、選手の方々も心苦しいでしょう」

と慮った。

   最悪の事態に陥っている、大阪の現状はどうか?

   自宅療養者が3月末から急増、4月26日現在で1万665人。先週月曜日の19日には、搬送する病院が見つからない救急車が、自宅到着から以降46時間53分も待たされ、救急隊員が交代しながら酸素吸入などの措置をした。コロナ関連の救急車の出動は、3月1日から1週間で23件だったが、4月12日からの1週間では491件と21倍に増えた。

   玉川徹は

「コロナは『見えない災害』だ。地震とか水害ならば、目の前で建物が壊れたり、水に流される。でも、感染者やその周囲の人しか見えないし、わからない。ほかの人たちは日常にいるが、いつ向こう側に足を踏み入れるかわからない」

と警鐘を鳴らした。

   「向こう側」の現実をもっと「自分事」として行動できないか。

(栄)

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