東京地裁第3支部第1刑事部(通称イチケイ)の裁判官・入間みちお(竹野内豊)は、絶対に冤罪を生むことのないように、職権を発動して自らの足で現場検証を行い、事件の真相を明らかにする異端な刑事裁判官。一つの裁判に時間をかけすぎるため、上層部から睨まれている。
ある日、イチケイの部長裁判官・駒沢義男(小日向文世)は、家庭裁判所から逆送されてきたある少年事件を合議制で扱いたいと入間たちに告げる。
少年事件を扱うのも初
被告人は17歳の望月博人(田中偉登)。半年前に高校を中退した望月は、レジャー施設でアルバイトスタッフとして働いていたが、あるとき売上金5000万円を盗んで逃亡。警察に逮捕されそうになり、繁華街のビルの非常階段から盗んだ現金をばらまいた。被告人が未成年のため、当初は家庭裁判所で審判が行われたが、被告人の性格や事件の重大性などから見て、保護処分ではなく刑事処分が相当として家庭裁判所から検察官に戻されて送致されたのだ。
入間は駒沢に、この事件の裁判長として同僚の坂間千鶴(黒木華)を推薦した。坂間は東大法学部出身で将来を約束されたエリート中のエリート。犯罪者相手の刑事部ではなく、より高度なスキルが要求されるとして民事部への異動を望んでいた。だが、「罪に正しい罰を下すことが使命だ」との信念のもと、じっくりと事件の真相を深掘りしていく入間や駒沢の影響を受け、刑事部への残留を決めたばかりだった。
入間の提案が受け入れられ、合議制で裁判長を務めた経験がない上に、少年事件を扱うのは初めての坂間が、裁判長として訴訟指揮をとることとなった。
一方、被告の望月は取り調べの段階から完全黙秘を貫くなど反抗的な態度で、口を開いたかと思えば「法律なんてクソだ!」と吐き捨てる。挙げ句には逆上して坂間に殴りかかろうとする始末で、裁判は迷走する。
「職権を発動します」と宣言
「実刑? 執行猶予? 決められないっ!」と迷う坂間に、入間は「真実を明らかにすることを、もしかして躊躇してる?」と問いかけた。坂間はその言葉に押されるように「職権を発動します」と宣言し、裁判所主導の捜査を開始した。
望月の身辺調査を進めるうち、強い絆でつながる滝本陸(細田佳央太)と吉沢未希(ついひじ杏奈)が、何かしら事件に関わっているのではないかと考えるようになった。そして、裁判長として臨んだ初めての裁判で坂間が下す『正しい罰』とは......。(よる9時放送)
(寒山)