竹野内豊が主演を務める型破りな裁判官ドラマ「イチケイのカラス」(フジテレビ系)の第3話が4月19日に放送され、平均世帯視聴率は12・7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好調を維持した。
毎回、裁判官自ら現場に赴いて捜査をやり直す展開に、ネット上では「面白い。現代版の遠山金四郎か大岡越前だ」「あの上級国民の事件も裁いてほしい」などの声があがっている。
江戸の名奉行モノから始まった奇跡のジャッジ物語だ
物語は、部長の駒沢(小日向文世)が合議制で扱いたい案件がある、と入間(竹野内豊)らに告げる。案件の被告人はガラス工房で働く藤代(岡田義徳)で、実は駒沢は18年前に裁判長として藤代を裁いたことがあり、更生を信じて減刑判決を下したのだった。駒沢は自分の判決が正しかったがどうか確認したかったのだった。
被害者は市役所職員の野上(成松修)。藤代がガラス工房で行っている教室には、野上の14歳になる娘・碧(渡邉心結)が通っていた。藤代は、送迎時に顔を合わせる碧の母で女性警官でもある奈緒(佐津川愛美)に好意を抱いた。藤代と野上はガラス工房でつかみ合いのケンカになり、誤って野上を殺してしまったという案件だった。しかし、事件の裏には意外な真相があり...という展開だ。
ネット上ではこんな声があふれている。
「くだけた(架空の)裁判所の真っ直ぐな気心が心地よく伝わってきます。どうせなら上級国民の犯罪といわれたあの事件も取り上げてほしいね~。レギュラー陣がみんな上手いのでいい」
「裁く人々が現場検証に飛び出していく姿は、新鮮で愉快、愉快。遠山金さんや大岡越前あたりから始まっていた奇跡のジャッジ・ストーリーかもしれませんね。『不見当』(見当たらない)とか、市法律をわかりやすく描いてくれるのは、ためになります。入間たちが『最後に法を裁く』という謎の言葉の意味が大きな主題のようでワクワクします」
「地検のお二人。毎回、結構協力的で笑えます」
「ツッコミ部分は多いが、事件のドラマ部分がしっかり作られていて心に染みる。今期、最推しのドラマ。竹野内さん、黒木華さん、小日向さん3名が上手い。イケメン枠も新田真剣佑と山崎育三郎とビッグな2人がいるから、女性層をしっかり押さえている。2桁の視聴率はキープしていきそう」
「地検のお二人。升さんと山崎さんの検事が毎回、結構協力的で笑えます。前回なんて山崎さん、書類を持って全力で走っていた。再捜査ばかりしたがる裁判官に敵対する立場なのに...。起訴した事件をひっくり返されても仲が良いですよね。あのお二人、好きだわ~」
「3回目にしてこの安定感、まるで長年見ているドラマのように落ち着いて見られるのはありがたい。画面の感じも落ち着いているし、効果音の入れ方もさりげなくいい感じ。登場人物のかけあいや絶妙な連係プレーも心地よい。毎回きれいに解決してくれるのもすっきりして気持ちよい」
「犯人が実の娘」という設定にパッタリ涙が止まった
さて、3話の事件についてはこんな意見が。
「今回は部長の判断、言葉がすべて。『いかなる理由であれ、罪を償うチャンスを奪ってはならない』『私も怖かった。あのときの判断が正しかったのか』『私はあなたを疑った。でも疑ってよかった』『あなたなら人生をやり直せます。そう信じています』。人を盲信せず疑い、真実を明らかにして始めて信頼できる。このシーンには涙がでました。岡田&佐津川さんも適役でした」
しかし、「真犯人が実の娘だった」という設定に興ざめだったという声が多かった。
「実の子設定、いる?実の子と分かるシーンでパッタリと涙が止まりました。『へえ、そうしちゃう?』と。あのまま『容疑者Xの献身』的に他人のままで終わればよかったのに。『容疑者Xの献身』の数学教師ほどじゃないけど、今回だって十分に女性警官とその娘を守ろうとする理由があるはずで、きちんと成り立ったと思う。別れた2人に焦点を当てたため、罪を犯した子どもの苦悩が伝わらなかった」
「最後の回想で女性警官が妊娠して仕事も辞めていいと言っているのに、別れようなんてひどすぎです。相手のことを思うなら、世間の偏見覚悟で、産まれてきた子と3人で楽しく生活したのなら事件は起こらなかった。別れて相手の幸せを願った、なんて美談に思えない」
みんなが不幸になるラストでよかったのか?
救いのない最後はこれでよかったのか、という疑問の声もあった。
「オッサンが犯人でよくないか。あの少女のこれからの人生、母親も警察を懲戒免職と犯罪者になって今後どうやって生活していくのか。なんか、どんな時でも、どんな場合でも、真実こそすべてって物語ステキでしょ的な感じが嫌な感じです。親の愛情として子どもを守るために納得しているのなら、それもそれでよくない? 結局誰も幸せになれない結果で、不幸だけが残りましたとさ(警察上層部の2人も含めて)」