18日(2021年4月)の感染者が過去最多の1220人だった大阪府の市立十三市民病院は、新型コロナの「中等症患者」専門だが、重症化しても転院先が見つからず、先週末現在4人が重症化転院待ちだ。入院フォローアップセンターへ転院の調整を問い合わせたところ、重症患者の転院は80人待ちだという。大阪市内の病院に勤める医師は、「70代後半以上の患者が重症化した場合、家族の了解を得て人工呼吸器の使用を見送ることがある」という。これまでに、「約10人の患者の治療を断念」。「医療はもう崩壊している」という。
日本医科大学の北村義浩・特任教授は「自分で自分の死に方を、選べない、家族と一緒に選べない、というのは社会崩壊に近いと思う」。
アメリカのトラベル・ナース
大阪府は滋賀県に、「患者の受け入れ」と「看護師の派遣」を要請した。大阪府の藤井睦子・健康医療部長は「重症病床があっという間に埋まった。中等症病院で重症者の治療を継続してもらい、耐え忍んでいる。非常事態でなく災害レベルの緊急事態だ」。「4月1日の時短要請からすでに2週間以上たっているので、感染者数に何らかの鈍化があるはずだが、実感できていない。すべての年代で、感染が鈍化しない」。
コメンテーターの山口真由・弁護士「アメリカにはトラベル・ナースと呼ばれ、移動して働いている看護師が3万人いて、それがコロナ禍で5万人に増えた。週給で100万円出すと。全国のホットスポットに移動していくシステムがある。日本の看護師さんや医療スタッフの働き方も考え直した方がいい」。
北村教授「看護師さんは、原則としては、派遣労働はできないことになっている。ただ、いま、原則論を言っている場合ではない」。その大阪に緊急事態宣言がまだ出ないのか?