「青天を衝け」青春群像劇が熱い!「栄一は60年代全共闘運動に巻き込まれた田舎エリート」「維新を『西』ではなく、初めて『東』から描いた大河」「千代と村の女衆がこれからのキーマン」

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維新の始まりは江戸の足元にもあった

   幕末維新を「西」ではなく「東」から描く視点が新鮮だという声も。

   「維新の始まりは"西"だけではなく、江戸の足元にもあるコトを描いた作品は今までなかった。高杉晋作の奇兵隊がすぐになされたワケではなく、その背景があった。それがどう描かれるのか。渋沢栄一のような幕臣が維新以降になぜ?どのように活躍できたのか。興味が尽きない」

   「次々と沸き起こるエピソードの嵐が凄いことになってきた。尊王攘夷を背景に、志士の過激行動、体制安定を図る幕府の公武合体、和宮降嫁とその道中接遇に駆り出される百姓たち。過激派の幕府重臣テロリズムから体制変革を目指す倒幕への道程、そして妻千代の懐妊。攘夷運動から反体制運動に開眼し、突き進む栄一の試練と葛藤。イメージは1960~70年の全共闘に巻き込まれて右往左往する純真な田舎エリート。NHK大河の常連視聴者のある種予定調和な展開を完全に裏切っていく万華鏡的ストーリー。いや興奮しました」

   渋沢栄一の合理的思考が存分に出た回だった。

   「思考停止状態の封建時代を打ち破って近代経済の父となった栄一。幕府とも志士とも違う合理的思考の持ち主の栄一は、そこだけ照度が異なるかのように根源的な明るさと魅力を持っている。荒々しい時代の端境期に栄一を見るとホッとする。『天罰なんか与えず、神風でも吹かせてくれればいい』というセリフも、農民が和宮の行列の世話をすることに不満げなことも栄一らしく共感できる。先進的だが、決して極端な方向にブレない栄一がどのようにして偉業を成していくか楽しみです」

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