きのう15日(2021年4月)夕方、東京・新宿区下落合で、駐車場の二酸化炭素消火設備が誤作動して作業員が死亡した事故は、自宅マンションや普段から利用しているビルの駐車場でも起こることなのか。キャスターの岩田絵里奈アナが「なぜ誤作動したのでしょうか。専門家に聞きました」と詳報した。
事故現場は高田馬場駅から800メートルのマンションの立体駐車場で、6人の作業員が天井の石膏ボードの張替え中に起きた。17時過ぎに現場責任者から「消火設備を誤作動させて閉じ込められた」と通報があり、警察と消防が駆け付けたが、4人が死亡、1人が重体で救出された。脱出できたのは1人だった。
「2回くらい吸ったら意識を失います」
二酸化炭素消火設備とはどんなものなのか。実験映像があった。10メートル四方ほどの部屋の中央に炎が置かれ、次の瞬間に天井付近から二酸化炭素の煙が噴き出し部屋は真っ白。煙が消えると炎は消えていた。実際は、スイッチを押すと20~30秒間警報音が鳴り、次に出入り口のシャッターが閉じて、その後に二酸化炭素が噴出する。
元東京消防庁の消防設備士の末信文行さんは、「基本的に駐車場は泡消火です。ただ、天井が高かったり、コンピューターなど水に弱い設備がある場所はガス(二酸化炭素)になります。作動するとほとんど酸素が残っていないので、2回くらい吸ったら意識を失います」と説明した。事故があったマンションの住人は「緊急時のボタンなので、絶対に触っちゃいけないと言われてます」と話す。
では、なぜ誤作動は起きたのか。末信さんは「作動スイッチは駐車場の外に設置されていて、手動でしか動かせないことになっています。ただ、天井や壁の配線を切ったりすれば、突然吹き出す可能性はありますね」という。昨(2020)年12月には名古屋、今年1月には東京・港区でも死亡事故が起きた。